現地時間11月20日、カタール・ワールドカップ(W杯)がついに幕を開けた。ただ、冬季開催によりクラブレベルに過密日程を強いた結果、怪我人が続出したほか、汚職や人権侵害疑惑、工事現場での過酷な労働状況による被害など、開幕前から次々と問題が浮上した。

 カタール開催に懐疑的な声が後を絶たないなか、英紙『Daily Mail』などによれば、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長が反論。

「FIFAは世界的なサッカー組織だ。私たちはサッカー関係者であり、政治家ではないし、人々をひとつにまとめたいんだ。どの国でもイベントの開催はできる」と断言し、国際的に孤立状態にある北朝鮮でさえ、可能性があると語っている。

「もし北朝鮮が何かを開催したいのなら……。実は数年前、北朝鮮に行き、韓国と女子ワールドカップのホストの一部を担う用意があるか尋ねたことがある。言うまでもなく成功しなかったが、役に立つのであれば、もう100回でも行きたいと思う。真の変化をもたらすのは関与だけだ。私たちはグローバルな組織であり、世界を結びつける組織であり続けたい」
 
 スイス出身の52歳はまた、「今回のワールドカップは、欧米からアラブ諸国まで、多くの人々の目を開かせると私は今でも確信している」と言い、あくまで強気な姿勢を崩さない。

「同じ世界に生きているのだから、共存し、互いを理解しなければならない。しかし同時に信念や歴史、背景は違うが、同じ世界である事実も受け入れなければならない。そして仲良くやっていかないと。だからここに来て何か間違ったことを見たら、それを言うだけでなく、どうしたらそれを正せるかも言ってほしい。そうすれば私たちは助け合えるかもしれない」

 FIFAのボスはいかなる国や地域であろうと、議論の場から締め出すべきではないと考えているようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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