破竹の勢いでサッカー好きとしての立場を確立した影山優佳さん(日向坂46)。
2016年に活動を開始してから、サッカー情報をメディアでも自身のブログなどでも発信してきたが、2018年のFIFAワールドカップロシア2018は休業中のために仕事しては臨めず。4年を経て、カタール大会でついにABEMAなどを中心にワールドカップ関連の仕事をするに至った。
前編では6年間の活動を振り返ってもらったが、後編ではそんな影山さんに仕事として臨むワールドカップへの想い、注目ポイントをうかがうとともに、ターニングポイントを迎えるグループとしての活動について聞いた。
インタビュー=小松春生
―――いよいよFIFAワールドカップカタール2022です。前回のワールドカップは休業期間を重なってしまいましたが、今回はABEMAさんなどで番組をやる中で迎えます。
影山 家で深夜に夜更かしして、次の日の朝、学校でみんなと語り合うのがワールドカップの日常でした。それが今度はテレビカメラの前にいるかもしれないということで、番組に出演させていただいていますが、まだ実感が湧かなくて。これから新しいワールドカップとの向き合い方があると思うと、すごくフワフワした感覚です。でも、そこは引き締めていかなければと。
日本代表で言えば、アジア最終予選で苦戦した部分もあった中、選手の団結力、コミュニケーションの数が増えるなどのストーリーもあり、本戦がすごく楽しみです。サッカーに限らず、何事も良いニュースが続くことが大事だと思っています。私は背伸びをした言葉を使えないので、私は私の言葉で、見て思ったことを伝えることを続けていきたいです。
小さい時や学生の時、自宅でトーナメント表を見て、「こことここが当たるのか」とか考えていた自分を思い出しながら、そういう子どもが画面の向こうにいると思いながら、自分に話しかけるような気持ちでお届けできたらいいなって思います。
―――ABEMAさんでは現在MCを担当されていて。6年前にこうなる未來は想像していましたか?
影山 いやいや全然!全く予想していませんでした。未だにサッカーファンの気持ちは全く抜けてないですし。お話をいただいたときも、「こんなに責任あるお仕事、できません」って思いました。でも、スタッフの皆さんもすごく期待をかけてくださっていて、技術的なことも毎回勉強させていただいています。
私はサッカーの戦術や選手のこと、エピソードを調べることが好きですが、何よりサッカーの感動やワクワクは心で感じないと伝わらないものだと思っています。皆さんと感動を共有できたらいいなと思いますし、もしそういう番組があれば、皆さんと一緒に番組を作っていければいいですね。
―――大会についてもうかがいます。日本以外で注目している国や選手はありますか?サッカーメディアなので、ちょっとマニアックに振っていただいても大丈夫です(笑)。
影山 国というか、グループBに注目しています。
―――イングランド、イラン、アメリカ、ウェールズですね。
影山 歴史的なこともありますが、各国が後に「黄金時代だったね」と言われる可能性があるような、勢いがある4チームが揃ったなと。イランも守備力が高いですし、ウェールズは最初で最後のワールドカップになるかもしれないガレス・ベイル選手が何を見せてくれるか期待しています。若さや、熱さ含めてすごく盛り上がると個人的には注目しています。
他のグループではカナダもダークホースになり得ると思います。ジョナサン・デイヴィッド選手のプレーが楽しみで。リーグアンで得点王を狙えるくらい好調ですし、代表でも30試合くらいで20得点くらい挙げていて(22年10月時点で34試合22得点)。カナダは台風の目になり得るなと。カタールやセルビアも面白い存在です。セルビアのアレクサンダル・ミトロヴィッチ選手も注目選手で挙げたいです。今28歳ですが、覚醒した印象があって。ニューカッスルからのレンタル移籍でフルアムに加入して、そこから完全移籍して、覚醒して。ニューカッスルのファンの人はどんな思いなんだろうと思っちゃいます。機動力もありますし、推進力は拮抗した試合で必ず輝く時が来ると思います。代表で輝く姿を見てみたいです。
―――日向坂46での影山さんについてもうかがいます。2作前で2列目に入り、前作は3列目でしたが、最新作の『月と星が踊るMidnight』では再び2列目に入りました。影山さんが入るユニット曲もあります。
影山 日向坂46に改名してからは私自身にとっては初めてユニット曲です。ひらがなけやきの時にユニット曲はありましたが、披露せずに休業して、復帰後もメンバーが欠けている状態のままとなってしまいました。今回、初めてのユニット曲でMVも作っていただいて。すごく新鮮でしたし、4人だからこそできることもあって。いろいろな伝え方があると勉強になりました。
「そういえば私、歌うことが好きだったな」と改めて気付くこともできました。一時期、人前で歌うことが怖くなったりもしました。でも、一人でその空間、時間で歌い、思いを伝えることが好きなんだと実感できたので、もっと練習して、勉強して、上手になりたいです。
―――22年は東京ドームでのライブも行いました。グループでのご自身の立ち位置はどう捉えていますか?
影山 グループはメンバーの卒業もありましたし、いろいろと変化があった1年だったと感じています。その中で、変化があるとチームの団結力は増すと思いました。ツアーや制作活動でメンバーとコミュニケーションを取る機会がすごく増えました。自分で意識したこともありますし、メンバーと「これはこうだよね」と普段の何気ない会話も増えたと感じました。メンバーに声をかけたり、1対1で話したり、意見を言うことが増えて。グループへの向き合い方もそうですし、グループの中で自分がどうしたらいいか、どうしたいかも、形作られてきたような1年でした。
それも踏まえ、以前よりグループの活動を楽しんでいますし、特にこの1年間は気負わずにいろいろな物事を楽しめるようになってきました。今年は目標の一つに、「困ったら楽しいほうを選ぶ」と挙げたんですが、それを心に決めて選んでいったら、本当に楽しく明るく過ごせたんです。今年もラストスパートになりますが、みんなで駆け抜けていきたいです。
まだまだ足らないところばかりですし、少しでもメンバーが楽しめるように。その楽しんでいる姿を見ていただき、おひさま(日向坂46ファンの愛称)の皆さんも楽しんでいただける活動ができたらいいです。そして、私にできることは何だろうと引き続き考えていきたいです。
―――日向坂46には4期生が新たに加入しました。グループとして新しい章に突入します。
影山 いい意味で全く違うグループになると思っています。それは生まれ変わるのではなく、新しい魅力が増えるという意味で変わっていくということです。その変化を楽しんでいただけるように、私たちも全力で駆け抜けていきたいですし、4期生も本当に魅力的な子ばかりなので、この機会に推しメン見つけてもらえたらなと。以前からもお伝えしているように、サッカーとアイドルは親和性が高いと思っていて。『サッカーキング』さんで記事も書かせてもいただきました。
―――たくさんの反響もいただきました。
影山 ぜひ、リンクを貼っていただいて(笑)。サッカーで言えば、自分が好きな選手がいたり、印象的なプレーがあったり。それって、プレーが好きな人もいれば、選手の人柄が好きな人もいる。好きになる理由は何でもあって。例えば、私にとってワールドカップと言えば本田圭佑選手であって、毎大会決める姿や、2010年のフリーキックは今でもパッと出てくるくらいすごく好きで。サッカーファンには、その人・選手のいろいろな魅力に気付ける、共感できるパワーがあると思っているんです。それはアイドルや音楽でも重なる部分があるので、日向坂の楽曲も聴いていただきたいなって思いますし、やってみよう、聴いてみようと思っていただける活動を個人でもできたらいいなって。そのためにも頑張ります。