FIFAワールドカップカタール2022・グループA第1節が21日に行われ、セネガル代表とオランダ代表が対戦した。

 今年1〜2月に行われたアフリカネーションズカップを制したセネガル代表は、同大会制覇の原動力となったサディオ・マネが負傷欠場。エース不在のなか、アフリカ勢初の4強以上を目指す戦いが始まる。一方、2大会ぶり11度目の出場となるオランダ代表は、ベテランと若手が一体となった充実の戦力で悲願のW杯初優勝に挑む。

 試合は序盤から球際での激しいバトルが繰り広げられ、目まぐるしく攻防が入れ替わる展開に。フレンキー・デ・ヨングを中心に主導権を握りたいオランダ代表に対し、セネガル代表はボール奪取能力に長けた中盤3枚と縦への推進力を持った前線3枚でプレスをかけ、ショートカウンターで何度もゴール前に迫る。ただ、オランダ代表の集中した守りに阻まれて得点は奪えない。オランダ代表もプレスを裏返した時に何度か敵陣ゴール前に近づくが、セネガル代表の屈強な守備陣を崩せず、決定的と言える場面には至らない。前半にゴールは生まれず、スコアレスで折り返す。

 後半に入ってもこう着状態が続くなか、オランダ代表のルイ・ファン・ハール監督は63分に切り札を投入。9月の代表戦で負傷後、実戦から遠ざかっていたメンフィス・デパイがピッチに戻ってきた。対するセネガル代表も63分に選手交代。左足を痛めたアブドゥ・ディアロに代わり、試合直前に土壇場で国籍変更が認められたイスマイル・ヤコブスが投入された。

 73分にはセネガル代表に再びアクシデント発生。シェイク・クヤテが筋肉系トラブルによって担架で運ばれ、パプ・ゲイェとの交代を余儀なくされた。

 その直後、セネガル代表に絶好機が訪れる。ドリブルでペナルティエリア内に侵入したイスマイラ・サールが多くの相手を引きつけ、ペナエルティエリア中央へと折り返す。受けたイドリッサ・ゲイェが右足を振り抜いたが、枠を捉えていた一撃は、オランイェ初キャップのGKアンドリース・ノペルトの好セーブに阻まれた。

 試合の均衡が破れたのは84分、オランダ代表が少ないチャンスをモノにして先制する。ペナルティエリア手前からF・デ・ヨングがゴールに向かう柔らかい浮き球を供給。タイミング良くゴール前に飛び込んだコーディ・ガクポが、飛び出してきた相手GKよりも先に頭で触ってゴールに押し込んだ。

 追いかける展開となったセネガル代表は86分、パプ・ゲイェがペナルティエリアの外で左足一閃。地を這うシュートは枠をとらえていたが、これもノペルトの好セーブに阻まれて得点には至らない。

 すると終了間際、オランダ代表がダメ押しの2点目を獲得する。カウンターでゴール前に迫ると、デパイが放ったシュートは相手GKメンディに阻まれたが、こぼれ球をデイヴィ・クラーセンが押し込んだ。

 試合はこのまま終了し、オランダ代表が苦しみながらも終盤の2得点で白星スタートを切った。次節は25日に行われ、セネガル代表はカタール代表、オランダ代表はエクアドル代表と対戦する。

【スコア】
セネガル代表 0-2 オランダ代表

【得点者】
0-1 84分 コーディ・ガクポ(オランダ代表)
0-2 90+9分 デイヴィ・クラーセン(オランダ代表)

【スターティングメンバー】
セネガル代表(4-3-3)
エドゥアール・メンディ;サバリ、クリバリ、シセ、ディアロ(62分 ヤコブス);イドリッサ・ゲイェ、ナンパリス・メンディ、クヤテ(73分 パプ・ゲイェ);ディアッタ(74分 ジャクソン)、ディア(69分 ディエン)、イスマイラ・サール

オランダ代表(3-4-1-2)
ノペルト;デ・リフト、ファン・ダイク、アケ;ダンフリース、フレンキー・デ・ヨング、ベルフハイス(79分 コープマイネルス)、ブリント;ガクポ(90+4分 デ・ローン);ヤンセン(62分 デパイ)、ベルフワイン(79分 クラーセン)