ロスタイムが長すぎる
6-2とイングランドがイランに大勝したゲームではある数字に注目が集まった。それがロスタイムの長さである。
序盤イランの守護神であるGKアリレザ・ベイランヴァンドが接触プレイで顔面を負傷し、長い時間プレイが止まっていた。プレイが再開されたのは16分頃で、そのため前半のロスタイムは14分と長いものとなった。
前半は選手を治療している間プレイが止まっており、14分は納得できる数字だが、驚きだったのは後半だ。前半のロスタイムに匹敵する10分のアナウンスが行われ、イングランド対イランの一戦は計114分間行われることに。これはフルタイムにプラスして延長の前後半を合わせた120分に近い数字だ。
ロスタイムが長かったのはイングランド対イランだけではなかった。続くアメリカ対ウェールズ、セネガル対オランダも後半に10分近くプレイタイムが延長されている。
英『BBC』によると、今大会はより厳密に時間を測っており、選手の治療、PK、VAR、ゴール後のセレブレーションなどのプレイしていない時間を正確に反映したためこれだけロスタイムが長くなったと報じている。
「考えてみてください。前半で3ゴール決まった場合、セレブレーションとリスタートで合計4~5分失うことになる」
FIFAの審判委員会の委員長であるピエルルイジ・コッリーナ氏の例えで、考えて見ると分かりやすい。実際にイングランド対イランは後半に5ゴール生まれており、このたとえで行くと10分は納得できる時間設定となっている。
この長い時間設定は終盤のゴールを増やしている。イングランド対イランでは90分+13分に、セネガル対オランダは90分+9分にゴールが生まれた。
見る側からすれば劇的なゴールが増えて面白いのかもしれないが、プレイする選手たちはどうなのだろうか。プレイタイムが増えればそれに比例して疲労が増え、集中力も低下する。怪我のリスクも高まるため、この正確すぎるロスタイムには今後多くの意見が出てくることになるだろう。