セネガル戦でいきなりの大抜擢
オランダ代表に不安なポジションがあるとするならば、GKだろう。マンチェスター・ユナイテッドで活躍したエドウィン・ファン・デル・サールのようなワールドクラスと呼べるGKは見当たらず、ここは名将ルイ・ファン・ハールも選出に頭を悩ませたはずだ。
最終的に選んだのは、フェイエノールトのユスティン・バイロウ、アヤックスのレンコ・パスフィール、ヘーレンフェーンのアンドリース・ノペルトの3人だ。
この中からファン・ハールがワールドカップ初戦のセネガル戦で先発を任せたのは、203cmのサイズを誇るノペルトだった。しかもこれが代表デビュー戦というから驚きだ。
ワールドカップの大舞台で抜擢するあたりは名将ファン・ハールらしいチョイスで、ノペルトも期待に応えてクリーンシートに貢献。これまでイタリアのフォッジャ、オランダのゴー・アヘッド・イーグルスなどでバックアッパーになっていた時間の方が多かったが、カタールの地で思いもよらぬ大出世を果たすことになった。
ベンチに控えるパスフィールも今年9月に38歳で代表デビューしたことが話題を呼び、開幕前の11月8日には39歳の誕生日を迎えた遅咲きの大ベテランだ。アヤックスでは守護神を務めているが、39歳のベテランを招集するところもファン・ハールらしい思い切ったチョイスだ。
24歳のバイロウも代表キャップは6試合で、ファン・ハールが呼んだ3人は経験が浅い。ワールドカップ本番での選出としては意外かもしれないが、ファン・ハールには名将ならではの目利きがあるのだろう。セネガル戦ではノペルトがヒットすることになったが、このまま主役となるか。相手のミドルを果敢な横っ飛びで弾き出す好プレイも見せており、一気にブレイクするかもしれない。