カタール・ワールドカップ(W杯)のグループF第1節、モロッコ代表vsクロアチア代表が23日に行われ、ゴールレスドローに終わった。

本大会へ導いたヴァイッド・ハリルホジッチ前監督を8月に解任し、ワリド・レグラギ体制で臨むアトラスの獅子・モロッコ。最後尾にはセビージャの守護神GKボノが君臨し、[4-3-3]のアンカーにはS・アムラバトが。指揮官交代で代表へ復帰したエースのツィエクは右のウイングを務めた。

前回大会のファイナリスト・クロアチアも[4-3-3]のシステムを採用した。ベテランのロブレンと20歳のグヴァルディオルがセンターバックを組み、中盤はブロゾビッチ、コバチッチ、モドリッチが黄金のトライアングルを形成。最前線にはクラマリッチが入った。

クロアチアがボールを握りながら機をうかがう展開の中で、先にGKへ仕事をさせたのはモロッコ。13分にハキミの仕掛けからのクロスがソサに当たってゴール方向へ飛び、GKリヴァコビッチが処理した。

対してクロアチアは直後にモドリッチが魅せた。ボックス左でまたぎフェイントから縦へ仕掛け、得意の右足アウトサイドでのクロスで会場を沸かせる。さらに、相手の不用意な横パスをカットしたペリシッチがミドルで迫った。

両サイドバックを押し上げて相手を押し込むクロアチアが、次第にポゼッションの時間を伸ばすものの、モロッコは安定した守備でチャンスらしいチャンスを作らせない。ただ、モロッコもボール奪取後に前線で収めることができず、両チームともに攻撃の糸口をつかめぬまま膠着状態に。

得点の気配に乏しい雰囲気の中で、前半最大のチャンスはアディショナルタイムに訪れた。クロアチアはスルーパスに反応して左ポケットを取ったソサのグラウンダークロスに、ヴラシッチがワンタッチで合わせる。だが、ここはGKボノが立ちはだかり、直後のモドリッチの左足も枠を外れ、ゴールレスで前半を終えた。

ハーフタイムに動いたのはクロアチア。前半終了間際に右足ふくらはぎを気にしていたヴラシッチに代え、パシャリッチを投入した。

後半はモロッコが先に決定機を迎える。ブファルのシュートがブロックされ、ボックス左にこぼれると、上がっていたマズラウィがこれに頭から飛び込んだ。

だが、左サイドバックは着地の際に右の体側部を負傷したようだ。一度はプレーに復帰したものの、しばらくしてピッチに座り込み、自ら交代を要求。60分にアティヤト・アラーとの交代を余儀なくされた。

65分のモロッコはボックス手前左でFKを獲得すると、ツィエクが横へ小さく出してハキミの右足。強烈なミドルでGKリヴァコビッチにセーブを強いる。一方、相手ブロックの内側へくさびを打ち込めないクロアチアは、ボックス右角付近でのFK獲得を契機にクラマリッチからリバヤへスイッチ。立て続けのCKでも高さを生かそうと試みる。

残り10分では交代カードを駆使してアクセントを加えようとはしたものの、互いに極端なリスクは冒さず。最後まで目立った決定機は生まれないまま、ゴールレスドローで勝ち点1を分け合った。

モロッコ 0-0 クロアチア