FIFAワールドカップカタール2022・3位決定戦が17日に行われ、クロアチア代表とモロッコ代表が対戦した。
グループF初陣の“再戦”となる今回の3位決定戦。当時はスコアレスドローで終わっていた。グループFはモロッコ代表が2勝1分けの1位、クロアチア代表が1勝2分けの2位となり、両チーム揃って決勝トーナメントに駒を進めた。クロアチア代表は日本代表、ブラジル代表をPK戦で破って2大会連続のベスト4入を果たしたものの、準決勝ではアルゼンチン代表に0-3で敗北。2大会連続の決勝戦進出とはならなかった。一方、モロッコ代表はスペイン代表をPK戦の末に撃破した後、ポルトガル代表に1-0で勝利。アフリカ勢初のベスト4入りを果たしたが、準決勝ではフランス代表に0-2で敗れ、涙を飲んでいた。
最後に笑って終わりたい両チーム。クロアチア代表は準決勝からスターティングメンバーを5名変更し、主将のルカ・モドリッチや守護神のドミニク・リヴァコヴィッチらが連続して先発に名を連ねた。イヴァン・ペリシッチは左サイドバックのポジションに入っている。同国史上最高成績となる3位を目指すモロッコ代表は、準決勝から3名を入れ替え。ソフィアン・アムラバトやハキム・ツィエクらがスタメンに入った。ビラル・エル・カンヌスはこの試合がモロッコ代表初出場に。体調不良の影響で準々決勝を欠場していたノゼア・マズラウィは、この試合で再びメンバー外となっている。
試合は序盤に動く。7分、敵陣中央付近でクロアチア代表がセットプレーを獲得。キッカーを務めるロヴロ・マイェルが左足で浮き球を供給すると、ペナルティエリア左に流れたペリシッチが頭で中央へと繋ぐ。最後はヨシュコ・グヴァルディオールがヘディングシュートを叩き込み、クロアチア代表が先手を取った。
対するモロッコ代表は失点の直後、右サイドからビラル・エル・カンヌスが積極的な仕掛けを見せ、ファウルを誘発する。このフリーキックをツィエクが蹴ると、ニアサイドでDFが触ったボールがゴール前に向かい、アクラフ・ダリが頭で押し込む。失点からわずか1分強でモロッコ代表が試合を振り出しに戻した。
24分にはモドリッチが魅せる。ペナルティエリア右の手前でバックパスを受けると、キックフェイントで相手をかわして左足フィニッシュ。対峙する選手の股を抜く鋭い一撃はGKボノに防がれた。29分にはモロッコ代表にビッグチャンス。ツィエクとのワンツーで右サイドを突破したアクラフ・ハキミが深い位置まで侵入してクロスボールを送るも、中央のユセフ・エン・ネシリにはわずかに合わない。
このまま前半終了かと思われた42分、クロアチア代表が再びスコアを動かす。高い位置でマテオ・コヴァチッチがボールを奪うと、ペナルティエリア左でフリーになっていたミスラフ・オルシッチの元にボールが渡る。ダイレクトで右足を振り抜くと、カーブのかかった一撃がファーポストを叩いてゴールに吸い込まれ、クロアチア代表が勝ち越しに成功した。このままハーフタイムに突入している。
後半に入ると序盤はクロアチア代表が試合を決める3点目を狙ってゴールに迫るが、モロッコ代表守備陣が粘りを見せ、ゴールを許さない。反撃に出たいモロッコ代表だったが、66分にはアクシデント発生。センターバックでコンビを組んでいたジャワド・エル・ヤミク、ダリの2人が負傷の影響でプレー続行不可能に。ベンチに入っているナイフ・アゲルドとロマン・サイスは負傷を抱えているため、バドル・バヌンとアムラバトのコンビで試合を進めることとなった。
試合が終盤に差し掛かると両チーム共に疲労の色が見えてきたが、局面局面でのプレーは激しくぶつかり合う。後半アディショナルタイムには左サイドのクロスボールからエン・ネシリが打点の高いヘディングシュートを放ったが、わずかにクロスバーを超えてしまった。
試合はこのままタイムアップ。両チーム死力を尽くした一戦はクロアチア代表に軍配が上がった。前回大会の準優勝に続き、今大会も3位と好成績を収めて大会を終えることとなっている。一方、敗れたモロッコ代表もアフリカ史上初のベスト4入り。最後は連敗となってしまったが、歴史に名を刻むチームとなった。
【スコア】
クロアチア代表 2-1 モロッコ代表
【得点者】
1-0 7分 ヨシュコ・グヴァルディオール(クロアチア代表)
1-1 9分 アクラフ・ダリ(モロッコ代表)
2-1 42分 ミスラフ・オルシッチ(クロアチア代表)
【スターティングメンバー】
クロアチア代表(4-2-3-1)
GK:リヴァコヴィッチ
DF:スタニシッチ、グヴァルディオール、シュタロ、ペリシッチ
MF:コヴァチッチ、モドリッチ:マイェル(66分 パシャリッチ)、クラマリッチ(61分 ヴラシッチ)、オルシッチ(90+5分 ヤキッチ)
FW:リヴァヤ(66分 ペトコヴィッチ)
モロッコ代表(4-3-3)
GK:ボノ
DF:ハキミ、エル・ヤミク(66分 アマラー)、ダリ(64分 バヌン)、アティヤット・アッラー
MF:アムラバト、エル・カンヌス(56分 ウナヒ)、サビリ(46分 シャイル)
FW:ツィエク、エン・ネシリ、ブファル(64分 ザルリ)