現地時間11月23日、森保一監督が率いる日本代表は、カタール・ワールドカップ初戦で強豪ドイツ代表と対峙。33分にPKを与えて先制されたが、後半に途中出場した堂安律、浅野拓磨のゴールで逆転して2-1。大金星を挙げた。

 この勝利に拍手喝采を送っているのが、ブラジルメディア『globo』の日本通、チアゴ・ボンテンポ記者だ。「ここ数十年の日本サッカーの進化を世界に示した」と称賛している。

「日本は今日、男子サッカー史上最大の勝利を収め、ワールドカップで初めて“世界王者”を倒した。この結果は世界を驚かせたかもしれないが、決してサプライズではない。何年も何十年もかけて積み上げてきた結果なのだ。

 勝利の要因はいくつもある。そのひとつに、長年日本サッカーの弱点とされていたフィジカルだ。それは欧州でプレーする選手の成長とともに変わり始め、ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督が最も重視したことのひとつでもあった。この4年間、守備の向上も確認することができた。そして、それらを包括し、最も困難な瞬間にすべてを賭ける勇気が、逆転劇のカギを握っていた」
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 そして、いつも通りに選手を10点満点で採点。マン・オブ・ザ・マッチにはCBで先発した板倉滉を選出し、「7」を与えた。寸評では「完全に集中し、常に正確なマークをしていた。決勝点を生んだのは最終ラインからの彼のフィードだ」と絶賛している。

 決勝点を挙げた浅野拓磨、堂安律にも同じ「7」が与えられている。次いで、PKを与えながらも後半に好守を見せた権田修一や、吉田麻也、遠藤航、鎌田大地、三笘薫、南野拓実には“良かった”評価の「6.5」がついた。そして“まあまあ”の「6」は、長友佑都、田中碧、伊東純也、冨安健洋に与えられている。

 一方、“悪い”評価に値する「5.5」がついたのが、酒井宏樹、前田大然だ。前者は「2つの決定的な場面で失敗。後半は巻き返したが、前半はよろしくないプレーばかりだった」とし、後者は「主な役割は相手ディフェンスにプレッシャーをかけること。目立った動きはなかったが、少なくともたくさん走った。そして正しい方法でゴールが取り消された」と綴っている。

 最も低い評価は、久保建英に与えられた「5」だ。寸評では「前半のみプレーし、良くなかった。また、足もとでボールを持った時にも、好機を逃した」としている。

 最後に、森保監督には満点の「10」を与えている。

「日本の男子サッカーで史上最大の勝利を達成した指揮官に、例外的に最高点を与えないわけもない。確かに最初の作戦は失敗し、0-1でHTを迎えることができたのはただの幸運だった。だが後半、彼は勇気を持って、勝つためにリスキーな変更を行ない、それは功を奏した。彼は賭けに勝ったのだ」

 W杯という世界の舞台での大金星に、長年日本サッカーを見守っていた記者も深い感慨を抱いているようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部