見逃さなかった好機
日本代表は23日、FIFAワールドカップのグループE第1節でドイツ代表と対戦。前半に1点をリードされた中で迎えた75分に起死回生の同点ゴールを奪ったのは、途中出場の堂安律だった。絶好機で足元にこぼれてきたこの男は、今大会の顔にもなっていく存在だろう。
前半はシュートわずか1本にとどまり、ミスからPKを与えてしまい失点を許す厳しい展開となっていた。それでもハーフタイムに修正を行った森保一監督はシステムを変更して勝負をかける。日本が徐々に攻撃のチャンスを作っていく中、攻撃のカードを何枚も切って勢いをもたらしていく。堂安もその1人だった。
田中碧に代わって[3-4-2-1]のシャドーの位置でプレイした堂安は、積極的にドイツのボランチとCBのスペースに顔を出して脅威を与える。すると、75分には左サイドから三笘薫のドリブルで起点を作ると、南野拓実が抜け出して中央へと折り返す。マヌエル・ノイアーが手を伸ばしてボールを弾くと、その先に待っていたのは堂安だった。
無人のゴールにボールを蹴り込んで欲しかった同点弾を決めてみせる。前半の戦いぶりでは想像できなかった瞬間だろう。“ここぞ”の場面で顔を出してゴールを決めた堂安には今大会の持っている力が証明されることになる。
昨季までPSVでレギュラーとして活躍し、今季はブンデスリーガのフライブルクでバイエルンに次ぐ2位進出に貢献。欧州のトップレベルで経験を積んできた男が大舞台で見せた一撃は、その後の大歓喜へとつながるゴールとなった。コスタリカ、スペインとの一戦でも、堂安が何かしてくれるかもしれない。