[カタール・ワールドカップ・グループステージ第1戦]日本 2-1 ドイツ/11月23日/ハリファ・インターナショナル・スタジアム
 
 前半終了時に公式データを見て、日本の苦戦ぶりが窺えた。

 現代サッカーにおいて、ポゼッション率はそこまで重要ではないとされるが、前半の日本は序盤こそ効果的なカウンターを発動させたが、時間を経るごとに苦しくなり、33分にはPKで失点を喫した。

 もっとも試合後に選手たちが口を揃えたのは「2点目を奪われないことが大事だった」という声。キャプテンの吉田麻也も説明する。

「2点目を取られることだけは避けたいなと。ハーフタイムに手法を変えて、よくまとまって戦えました。ミュラーとムシアラが嫌なポジションを取るなと、そこをハッキリさせようと言っていたんですが、とりあえず前半は凌ごうと。システムを変えたことでハマって相手も戸惑ったと思います。監督の判断ですね」
 
 日本は後半、システムを3-4-2-1に変え、3-2-5のようにドイツの可変するシステム(オリジナルは4-2-3-1)にハメやすくすると、ウイングバックに三笘薫を投入するなどして一気に前に出る。4日間の非公開練習で磨いてきた形だったのだろう。

 吉田は「ブロックを引いて、後半、途中出場の選手が違いを作る。我慢してショートカウンターを待つ。あまりにもプラン通りに事が進んでビックリしていますが、プラン通りに行けたのが素晴らしかったです」と驚いたが、明確なプランがあったからこそ、前半の厳しい時間を耐えることができたのだろう。

 三笘も「まさか2点目が入るとは思わなかったですが、これもこういう風な流れを持ってきた前半の戦い方もそうですし、チームとして準備した結果だと思います」と振り返る。

 ドイツに攻め込まれながらもミッションを完遂させた選手たち。その意味でも大きな手応えを得られる勝利になったに違いない。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト特派)

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