大会に至るまでに、様々な批判を浴びた。だが、強豪ドイツ相手の勝利において、森保一監督の功績が大きいことに異論の余地はないだろう。

 日本はカタール・ワールドカップ初戦で前半に先制を許し、ドイツに試合を支配された。だが、後半から森保監督がシステムを4-2-3-1から3-4-3に変更して流れを変える。指揮官はさらに次々と攻撃の選手を投入し、途中出場の堂安律と浅野拓磨のゴールで逆転勝利を収めた。

 イタリアのメディア『fanpage.it』は、「日本の勝利はハジメ・モリヤスの素晴らしい戦術眼のたまものだ。後半に彼は大変なリスクも冒してチームを完全に改革することができた」と、サムライブルーの指揮官に賛辞を寄せている。

「日本の監督はどうすればドイツを苦しめられるかを理解していた。特にドイツの両サイドは日本の攻撃をはね返すのに大苦戦した。モリヤスが完璧に戦術を読み、たった1つの手だけですぐにドイツを苦しめたのだ」

「彼は攻撃の脅威を増すために4-2-3-1から3-4-3に変え、ドイツ相手の初勝利を収めた。それだけではない。彼のシステムは大胆すぎるように思われたほどだ。交代を考えれば、なおのことである。後半、日本は11人中6人がアタッカーという中で試合を終えているのだ」
 
 同メディアは「日本は4バックから3バックへのシステム変更だけでなく、一見すると不思議だが、この上なく効果的となった交代に踏み切った。FWのクボに代えてDFのトミヤスを投入したのだ」と続けている。

「新システムでは3バックのためにCBを増やす必要があるため、普通の交代のように思われた。だが、そこでドイツは驚かされたのだ。57分から75分までに日本はさらに4人を交代し、ピッチに4人ものFWを送り込んだのである」

「ミトマ、アサノ、ドウアン、ミナミノ、イトウ、カマダを擁し、3バックのほかに後方を守る盾となったのはエンドウのみ。その結果は? 71分投入のドウアンが75分に得点し、57分から出場のアサノが83分にドイツのワールドカップ初戦を真の悪夢としたのだ」

 見事な采配で歴史的な勝利を収めた森保監督。だが、コスタリカとの第2戦次第で手のひらを返されるかもしれないことは、指揮官が誰よりも分かっているだろう。森保ジャパンがこのままの勢いで決勝トーナメント進出を果たせるように期待したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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