現地時間11月23日、日本代表はカタール・ワールドカップ初戦でドイツ代表と対戦。前半にPKで先制を許すも、後半に堂安律と浅野拓磨のゴールで見事な逆転勝利を飾った。

 W杯優勝経験国に大金星。オーストラリア・アデレード出身で、現在サッカーダイジェスト海外編集部員のスティーブン・トムソン記者が、ドイツ戦に出場した森保ジャパン全16選手を採点した。

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【個人採点・寸評】
GK
12 権田修一 7
素晴らしい贖罪の物語。判断ミス、ラウムへのタックルでPKを与えてしまって、失点。しかし、後半は何度もピンチを救うビッグセーブを連発。これが勝利のターニングポイントになった。

DF
5 長友佑都 5.5(57分 OUT)
持ち前のハードワークを随所に発揮。ただ、前田への好クロスを除いて、試合に大きな影響を与えられなかった。アグレッシブに戦っていたが、野心的になりすぎて自分の持ち場を離れることもあった。

DF
4 板倉滉 6.5
守備面で最も信頼できる存在だった。ムシアラのドリブルには苦戦していたが、ピンチ回避のプレーは多かった。前線への良質なパス出しでも貢献。精緻なロングパスで浅野の逆転弾をお膳立てした。

DF
22 吉田麻也 6.5
タックルや空中戦で強さを見せた。板倉と同様に頼もしく、ドイツの猛攻撃に冷静に対処した。たとえミスがあっても、素早く、的確にリカバーした。
 
DF
19 酒井宏樹 6(75分 OUT)
前半は、スペースを与えて、そこを突かれて劣勢を強いられた。それでも、時間の経過とともに守備のパフォーマンスは向上。自信を持って前に進み、ノイアーが弾いたこぼれ球に反応して、惜しいシュートもあった。途中交代したが、足の状態が懸念される。

MF
17 田中 碧 6(71分 OUT)
エネルギッシュなプレーは相変わらず。攻撃面は物足りなかったが、相手の中盤にプレッシャーをかけ続けた。その頑張りは疑いなかったが、プレスをかわされ、苦しい状態にさせられることもあった。

MF
6 遠藤 航 6.5
際立つプレッシング、タックル、ブロック。ポゼッションでも機能していたし、遠藤はこの日も遠藤だった。後半の3バック変更後も、最終ラインを力強く支える役割を全う。迫力を増そうとするドイツの攻撃をシャットアウトした。

MF
11 久保建英 5.5(HT OUT)
閃きと才能を持って、オフ・ザ・ボールでもチャンスをうかがっていた。ただ、フィジカルの勝負で難しい戦いを強いられ、目立った働きを示せず、前半だけでベンチに退いた。

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MF
15 鎌田大地 5.5
本来の実力を考えれば、今ひとつといった出来か。中盤のボール奪取から攻撃につなげるプレーは良かった。ただ、決定的な仕事には絡めなかった。

MF
14 伊東純也 6
対峙する相手をかわすのに苦労したが、それでも果敢に走り抜こうとした。攻撃面で多くのプレーに関与し、相手にとっては危険な存在だったはずだ。

FW 
25 前田大然 5.5(57分 OUT)
序盤に鋭い抜け出しからネットを揺らしたが、これは惜しくもオフサイドの判定。攻守両面で精力的な働きぶり。ただ、ゴールに迫るシーンは限られていた。

▼交代出場
DF
16 冨安健洋 6(HT IN)
後半のシステムチェンジに伴い、3バックの一角を務める。負傷明けだったが、期待に応えるパフォーマンスで、相手の圧力にも屈しなかった。
 
MF
9 三笘 薫 6.5(57分 IN)
ゲームチェンジャーとしての仕事をこなす。左サイドで躍動し、彼のパスから最終的には堂安の同点ゴールが生まれた。ディフェンス面のタスクでも手を抜かなかった。

MAN OF THE MATCH
FW
18 浅野拓磨 7.5(57分 IN)
相手のビルドアップをけん制しつつ、パスを呼び込む動きと、そこから好機につなげる意志を貫く。そして、板倉のロングパスを絶妙なタッチでコントロールし、そのまま突き進んで、相手GKのニアを抜くフィニッシュ。すべてがワールドクラスだった。

MF
8 堂安 律 6.5(71分 IN)
完璧なポジショニングと正確な左足シュートで、チームを勢いづかせる同点ゴールをゲット。さすがの勝負強さを見せた。

MF
10 南野拓実 6(75分 IN)
チームメイトと連動して、攻撃を活性化。三笘のパスに抜け出してからの左足シュートはノイアーに阻まれたが、そのこぼれ球を堂安が詰める。機敏なアクションで同点弾を演出した。

採点・文●スティーブン・トムソン

[プロフィール]
スティーブン・トムソン/1993年生まれ、オーストラリア・アデレード出身。アデレード大学を卒業後に来日し、上智大学で日本語を学ぶ。日本のスポーツと文化に精通し、今春からサッカーダイジェスト海外編集部員に。好きなサッカークラブはアデレード・ユナイテッド、リバプール、そしてガンバ大阪。