前半38分にエースFWプリシッチが価値ある先制ゴール
カタール・ワールドカップ(W杯)は現地時間11月29日にグループリーグ最終戦が行われ、アメリカ代表が1-0でイラン代表を下し、今大会の初勝利と決勝トーナメント進出の権利を手にした。
このゲームは両国が政治的に対立していることも注目の一因になった。勝利はもちろん引き分けでも突破の可能性があるイランは初戦のイングランド代表戦で味方選手との衝突で昏倒して交代になったGKアリレザ・ベイランバンドがスタメン復帰。負傷明けでコンディションが十分でないなかで大会に入ったFWサルダル・アズムンもスタートの11人に名を連ねた。
一方のアメリカは勝利すれば突破という状況で、ここまで見せている4-3-3をベースにしたシステムを継続。前半はこの状況からもアメリカが攻勢を強めた。全体的にボールを支配しながらシュートまで持ち込む場面を多く作り、イランは単発のカウンターのみの状況に押し込まれた。
そして前半38分、アメリカはゴールキックから前進して中盤でMFウェストン・マッケニーが右サイドにフィード。ここに走り込んだDFセルジーノ・デストが頭で中央に折り返すと、そこに飛び込んだのがエースFWクリスティアン・プリシッチ。所属クラブを見れば、ユベントス、ACミラン、チェルシーとつながった豪華な一撃がアメリカに先制点をもたらした。
しかし、このプレーでプリシッチは相手選手と接触しながら大会初ゴールを決めていたことで、一時はピッチを離れて治療。前半のプレーには戻ったものの、1-0で迎えたハーフタイムにFWブレンデン・アーロンソンと交代になってしまった。
後半に入ると、もう1会場でイングランド代表がリードしている状況から引き分けに持ち込めば突破できるイランが攻勢を強めた。人数を掛けてペナルティーエリア内に侵入する回数も増やし、アメリカはここまで見せてきたような効率的なサッカーを展開できなくなっていった。
しかし、最後のところで固く守るアメリカをイランは最後まで攻略できず。このまま1-0で逃げ切ったアメリカが突破を決めた。もう1試合はイングランドがウェールズ代表に勝利し、このグループBは首位イングランドがセネガル代表、2位アメリカがオランダ代表と決勝トーナメントの1回戦で対戦する。(FOOTBALL ZONE編集部)