翌日にカタールワールドカップ第2戦コスタリカ戦を控える11月26日、サッカー日本代表はドーハ市内で練習を行った。その後、吉田麻也が取材に応じた。

 初戦のドイツに劇的な勝利を挙げた日本代表にとって、27日の試合が持つ意味は大きい。日本、ドイツ、コスタリカ、スペインが同居するグループEで、初戦で勝利したのは日本とスペイン。当然、この2か国が勝点3を持ち、ドイツとコスタリカは最終戦に臨みをつなぐために白星を狙う。

 コスタリカは守備に強みを持つチームでありながら、初戦で0-7の大敗。日本戦にどのような形で挑むのかは、事前に読み解くのは難しい。実際、吉田も、「相手が前からプレスをかけてくるのか、あれだけ失点しているのでブロックを敷いて守備を固めてくるのか、まだ分かりません」としながらも、「両方に備えなければいけない」と警戒を強め、次のように言葉を続けている。

「(コスタリカが)前から来るのであれば、絶対に失点してはいけない。そこで勢いを逃してはいけない。0-0の時間が長くなればなるほど、向こうにプレッシャーがかかる。そこで、自分たちが得意としている形を出せるかどうか」

 吉田は「失点して相手にリスムと勢いをもたらしたくない。そこが一番」と、守備の重要性を改めて強調。そのうえで、過去大会での経験を口にした。

■「W杯はそんなに甘くない」

 ブラジルで行われた、2014年のW杯。日本代表は初戦に敗れ、2戦目に引き分け、最後、勝たなければいけない状況でコロンビア戦に挑んだ。前半17分にPKを与えて失点してしまったものの、前半アディショナルタイムに同点に。イーブンの状態で、後半に挑んだ。

 しかし、後半10分に失点すると、その後、同37分、同45分に立て続けに失点。終わってみれば、4-1で試合終了のホイッスルを聞いたのだった。

 吉田は。「僕らもブラジルのW杯の時にコロンビアに勝たなければいけない状況で前半からガンガン行って、前半は割と互角に戦えた」としながらも、「明らかに後半に落ちて、スペースがある中で得点を重ねられてしまった」と振り返った。だからこそ、「逆にそういう経験を活かしたいなと。焦らずに、まずは失点をしないこと。得失点差もあるけど、まずは勝点を獲ること」と、グループリーグ突破のためにまずは絶対に必要な勝点を狙う重要性を説いた。

 そして、第2戦を終えた時点で「スペイン(が勝点)6、うち(も勝点)6で次の試合に行けることが理想中の理想」としたが、「W杯はそんなに甘くないことは分かっている」と自分に言い聞かせるように言葉を発した。

■「4じゃ安心できない。だから、6取れれば」

 さらに吉田は、「4じゃ安心できない。だから、6取れれば」と、改めて勝利を誓った。そして、「前回と変わらず、最後の最後まで良い準備ができているのか、自問自答しなければいけない」と、浮足立った要素は微塵もない。

 日本代表がコスタリカ戦で積み上げるべき勝点は「6」。そのためには、相手がどのような戦い方をしようとも、最初に失点してはいけない。チームとしての戦い方を明確にしたサムライブルーが、27日、遠く離れた日本列島に歓喜を届ける。