【専門家の目|佐藤寿人】ドイツ戦は途中出場の選手が活躍する一方で修正点も
森保一監督率いる日本代表は現地時間11月23日、カタール・ワールドカップ(W杯)初戦のドイツ戦に臨み、2-1の逆転勝利で好スタートを切った。元日本代表FW佐藤寿人氏に、次戦のコスタリカ戦に向けてのポイントを聞いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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歴史的な勝利で初戦を終えた日本。まだまだ余韻に浸っていたいところだが、次の試合はすぐにやってくる。佐藤氏は「選手たちが見ているもの、見たい景色はまだ先にある」と語り、ドイツ戦の内容を踏まえたうえでコスタリカ戦を展望した。
「この勝利の代償も、少なからずあると思います。怪我人の状態、今回ピッチに立たなかった選手、立てなかった選手がどういう状態で、コスタリカ戦を迎えるのか。まずグループリーグを突破することを考えた時、勝ち点を積み上げたい。
総力戦ということで準備してきた以上、勝ち点3をしっかり勝ち取るための最善の準備を森保監督のもとでやっていくと思いますし、それができるチームだと思います。26人という、この大会でのレギュレーションが最大限生かされる状況にはなってくる。もちろんシステムも含めて、いろいろな選択肢から決断していくのかなと思います」
ドイツ戦では途中出場の選手たちが存在感を発揮し、逆転に貢献した。コスタリカ戦では、森保監督が良い意味で人選に悩むことになりそうだ。一方で、ドイツ戦にも少なからず修正すべきポイントはあった。
「ドイツ戦では守備の時間が長かったこともあり、奪ったボールをもう1回自分たちで保持することができなかった場面もありました。クリアを相手に渡すか、自分たちへ保持するかによって、だいぶそのあとのプレーも変わってきますし、そこで少し体を休められる部分も出てきます。プレー強度をなるべく高い状態で保つことを考えた時には、良い意味で“抜く”ことも必要。(日本は)間違いなくボールを持てるチームですし、そこをまずしっかりやりやること。
そして、自分たちがやることは変えないことが大事ですね。一つ勝ったことで少し相手の様子を見ようと思ってしまうと難しくなりますし、自分たちのやれることをやり続けること。スペースで上手く受けられる選手もいますし、ボールを前に運べる選手もいるので、攻撃の武器を最大限に生かして得点を奪っていきたいところです」
そして、「ドイツ戦の勝利が決して無駄にならないように、主導権を握れるように試合に入っていってほしい。攻守両面で、前に出ていく積極性を欠いてしまうと難しくなると思うので、そこは期待したいなと思います」とも佐藤氏は語った。ドイツとの激戦を経て疲弊していることは間違いないが、自分たちの強みを見失わずに戦い、コスタリカ戦での勝利につなげたいところだ。(FOOTBALL ZONE編集部)