【専門家の目|玉田圭司】グループリーグ第2戦・コスタリカ代表戦を展望
森保一監督率いる日本代表は、カタール・ワールドカップ(W杯)の初戦でドイツ代表と対戦し、2-1の逆転勝利で大金星を飾った。グループリーグ第2戦のコスタリカ代表戦を11月27日に控えるなか、W杯2大会連続出場経験を持つ元日本代表FW玉田圭司氏は、この試合でのキーマン3名を挙げている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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強敵ドイツとの一戦で、日本は基本システムの4-2-3-1を採用。前半序盤こそ、ハイプレスからショートカウンターに転じる場面を見せ、立ち上がりの8分にMF鎌田大地が高い位置でボールを奪った流れからMF伊東純也に展開し、FW前田大然がネットを揺らす。これは惜しくもオフサイドの判定となったが、狙いとする形を見せた。しかし、徐々にボール支配をドイツに明け渡すと、防戦を強いられ前半33分、PKをMFイルカイ・ギュンドアンに決められ先制点を許す。
この悪い流れを打開すべく、森保監督は後半頭からMF久保建英に代えてDF冨安健洋を投入して3バックに変更。これで相手のマークを明確にさせた日本の森保監督はMF三笘薫、FW浅野拓磨、MF南野拓実、MF堂安律と攻撃的な選手を次々と投入する大胆な策に打って出る。すると日本は後半30分、ゴール前に三笘がボールを持ったところからペナルティーエリア内で南野が受け、中央への折り返しをノイアーが弾いたところを堂安が蹴り込んで同点ゴール。さらに同38分、最終ラインから1本のロングパスを受けた浅野が逆転弾をマークし、歴史的大金星を挙げた。
日本はグループ第2戦でコスタリカと対戦。2014年のブラジルW杯で初のベスト8入りを果たした中南米の雄は、堅守速攻型のスタイルを誇る。玉田氏は「(日本の)戦い方的にはドイツ戦とはまったく別になる。ドイツ戦は7割くらいボールを持たれて、割り切って守備に徹する戦いでしたけれど、コスタリカ戦に関しては5分5分、あるいは、日本のほうがボールを支配する時間が多いのかなと思います」と展望する。
この試合でグループ2連勝を目指す日本は、前線からのハイプレスからショートカウンターで相手ゴールに迫る戦いではなく、細かなパスワーク、テクニックを生かしながら局面を打開する戦術をとると、玉田氏は予想。「そうなるとアタッキングサードで違いを作れる選手がキーマンになると思っています。その意味で言うと、鎌田選手、久保選手、三笘選手の出来が鍵になるでしょう」と、期待を寄せた。
ドイツ戦から中3日で迎えるコスタリカ戦では、「短期決戦なのでコンディション調整がものすごく大事。ドイツ相手に体力も消耗していますから、少しでも100%にも持っていく作業が大事になります」と、十分な準備を施して臨めるかもポイントだと、玉田氏は指摘。ドイツ戦で歴史的1勝を掴んだ流れを経て、日本はさらなる快進撃を見せられるだろうか。
[プロフィール]
玉田圭司(たまだ・けいじ)/1980年4月11日生まれ、千葉県出身。名門・習志野高校から99年に柏レイソルへ入団。プロ5年目で主力に定着し、2桁得点をマークした。2004年に日本代表へ初招集。名古屋グランパスへ移籍した06年にはドイツW杯へ出場し、第3戦ブラジル戦でゴールを決めた。10年南アフリカ大会でW杯2大会連続出場。国際Aマッチ通算72試合16得点を記録した。セレッソ大阪、V・ファーレン長崎にも所属し、Jリーグ通算511試合131得点した左利きのストライカー。21年に現役引退を引退した。(FOOTBALL ZONE編集部)