長くピッチに立たせることが重要だ

この男はFIFAワールドカップ・カタール大会でさらに評価を上げることになるのだろうか。三笘薫のことである。

三笘は川崎フロンターレで旋風を巻き起こしており、代表で地位を確立することになったのはアジア最終予選でのことだ。0-1で勝利したオマーン戦でフル代表デビューを飾ると、途中出場から伊東純也のゴールをクロスからお膳立て。その後のオーストラリア戦では2ゴールを決め、日本をカタールの地に導いた。

三笘は基本的に後半から起用されるジョーカーとして代表で地位を築いており、その強力さから巷では「戦術三笘」と呼ばれるほどだ。アジア最終予選後の親善試合でも三笘の破壊力は素晴らしく、カタールでもその勢いは衰えていない。

大金星となったドイツ戦では左ウイングバックとしてピッチに立つと、ドリブルでドイツDFを圧倒。堂安律の同点弾は三笘のプレイから始まっており、攻撃面でチームに貢献する。

続くコスタリカ戦でも後半からピッチに立ち、コスタリカDFを苦しめた。日本のサポーターにはお馴染みとなっている一対一の突破からボックス内に侵入しており、コスタリカゴールに迫る。『ABEMA』の解説を務めた本田圭佑は「三笘さん凄い」と絶賛していた。

この試合は敗れることになったが、三笘のドリブルは世界でも止められないことがこのW杯で証明されている。

代表での三笘はドイツ、コスタリカ戦での起用法から分かる通り基本的に後半から起用されているが、次のスペイン戦でもジョーカーとして起用するのだろうか。疲弊した相手に万全の三笘をぶつけることで好機を見出す作戦は分かるが、スタートから起用しても問題ないだろう。所属クラブのブライトンでは先発で起用される試合が増えており、何より三笘には長くピッチにいてもらったほうがいい。堅守とされる相手も単独で打開することができ、攻撃力は頭一つ抜けている。幸い左サイドには相馬勇紀という馬力のあるアタッカーがおり、終盤に三笘と相馬を変えてさらに勢いを強めてもいい。

日本の左サイドで圧倒的な存在感を放つ三笘。W杯でも頼れる存在であり、今大会終了後の評価はどこまで上がっているのだろうか。