ドイツ×スペイン戦も含めスペインに抱く印象を語る

 カタール・ワールドカップ(W杯)グループE第3節のスペイン戦に向けて再始動した日本代表。11月27日のコスタリカ戦で、まさかの敗戦(0-1)を喫したことにより、自力で決勝トーナメントに進出するためには、勝利をするしかなくなった。

 コスタリカとの試合に先発出場したMF相馬勇紀(名古屋グランパス)は、試合から2日経ち、コスタリカ戦の反省を「かなりラインを下げてコンパクトなブロックを作ってきました。試合前からおそらく5バックでやってくることは分かっていましたが、特に前半は打開策を見いだせず、ずっと同じペースを回してしまって、選手の距離が遠く、一番ブロックに対して崩しにくい形で攻めてしまったかなと思いました」と、語った。

 昨年の東京オリンピックでも準決勝のスペイン戦、後半20分からピッチに立った。日本は善戦したが、延長戦でFWマルコ・アセンシオにミドルシュートを決められて、0-1で敗れている。

 この時に感じたスペインの印象について、「延長戦の最後の最後まで、全員のパワーも残っていて、迫力もあった。力のある選手たちが本当に多いなと。あの時はアセンシオの左足一発に泣いたけど、今回も注意しないといけない」と話した。

 そして、この経験とスペイン代表対ドイツ代表戦(1-1)を見た印象を合わせて、「レベルが違えど、U-24でやった時、守備がハマったところで、中盤3枚の連携でシャドーが落ちてきて、逆サイドに変えられたというのをやられたことを覚えている。この前の試合もそう。ドイツがショートカウンターできていた時は、アンカーのところにマークを付けて潰せていた。そこで守備がハマっているなと、一昨日も見て感じた。そこが1つポイントになると思います」と、ビルドアップ時にいかにアンカーのところでボールを奪えるかをカギに挙げた。

 また、東京五輪では封じられたクロスについても、「仕掛ける時でいえば、左足でクロスを上げるタイミングで足を延ばしてくる感じがあったので、切り返したり、もう1つえぐるイメージは持っています」と、語った。

 MF久保建英(レアル・ソシエダ)も「こんなに早く借りを返すチャンスが来るとは思っていなかった」と話していたが、東京五輪世代でも「借りを返そう」という話をしているという。それが実現できれば、大会前に不可能とも思われていた決勝トーナメント進出も実現できる。コスタリカ戦に敗れた過去は変えられない。相馬は「結果的に(勝たなければいけないと)はっきりした。そっちの方がいい。引き分けを狙うのは難しいし、あまりそういう試合はないので、勝ちに向かえるのはいいこと」と前を向く。五輪の借りを返し、2大会連続のベスト16進出を決める。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)