今回のワールドカップにおいて、日本代表はここイングランドで(イングランド代表を除けば)一番人気のチームとなっている。ドイツに勝ったという理由だけでなく、そのアグレッシブなプレースタイルのせいでもある。

 また、それが日本では当たり前の習慣であるのは知っているが、ドレッシングルームをきれいに整頓してからスタジアムを後にする姿は、リスペクトを集めている。

 だから、イングランドでは、日曜の午前10時キックオフだったにもかかわらず、日本対コスタリカを観戦しようとした人も少なくなかった。

 日本はドイツに対して素晴らしい結果を残した。これまでの日本を見ていて、選手たちが相手に対して劣等感を持っていると感じる時があったが、ドイツ戦では、ブンデスリーガでプレー経験がある選手がスタメンに6人いるのが大きなアドバンテージとなった。

 だが、コスタリカ戦は日本にとって試練となった。森保一監督はドイツ戦で戦術の天才として称賛された。ただ、この試合ではスタメン5人を変更。これで全く違ったチームになってしまった。なぜこれほど多くの変更を行なったのかという疑問が生じる。しかも、そこに三笘薫の名前はなかった。

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 日本にとって勝点6に積み上げる大きなチャンスだったが、それを逃した。ゴールは、スペイン戦も含めてコスタリカがこのワールドカップで170 分間戦って放った最初の枠内シュートだった。

 失点は権田修一のジャンプが早すぎたせいだったが、彼だけを責めることはできない。この日の日本は、ドイツ戦ほどのエネルギーを持っていないように見えた。ようやく攻撃が活性化させたのは三笘が投入されてから。彼を起用すれば何か起こしてくれるというのはイングランドのファンは知っているのに、森保監督がスターターとして信頼していないのは残念だ。

 日本はスペインに勝てば、自力でグループステージ突破を決められる。もちろん簡単ではないが、ここイングランでは多くのファンがそれを願っている。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)