ウェールズ戦で主役となったラッシュフォード

30日、FIFAワールドカップ・カタール大会のグループステージ最終節でウェールズを下し、リーグ首位での決勝トーナメント進出を決めたイングランド。この試合ではFWマーカス・ラッシュフォードが2ゴールをあげる活躍を見せたが、その裏では複雑な心境も抱いていたようだ。
 
初戦のイラン戦では途中出場からチーム5点目を奪っていたラッシュフォード。ガレス・サウスゲイト監督は今回のウェールズ戦で数人メンバーを入れ替え、ラッシュフォードも今大会初のスタメン入りを果たした。
 
ラッシュフォードはその起用にしっかりと応えてみせた。後半開始直後の50分に直接FKを沈めて先制点をもたらすと、68分には左足でダメ押しの3ゴール目をゲット。FWフィル・フォーデンが決めた2ゴール目も、高い位置でのラッシュフォードの守備が起点となっていた。
 
これにより、ラッシュフォードはカタール大会のゴール数を3に伸ばしている。フランス代表のFWキリアン・ムバッペやオランダ代表のFWコーディ・ガクポ、エクアドル代表FWエネル・バレンシアに並び、得点ランキング首位タイに躍り出た。
 
今回のウェールズ戦でそれだけの好パフォーマンスを見せたラッシュフォードだが、試合前には辛い経験もしていた模様。彼は先制点を決めた後にひざまずいて天を指さしたが、英『Daily Mail』によれば、ラッシュフォードは数日前に友人を亡くしていたようで、このゴールをその友人に捧げたという。試合後にラッシュフォードはこのように語っている。
 
「不幸にも、数日前に友人の一人を亡くしたんだ」
 
「彼はかなり長い間、癌と闘っていたので、彼のために得点をあげることができて嬉しいよ」
 
「彼はいつも僕のことを大いに応援してくれるサポーターだった。彼は素晴らしい人物だったし、彼が僕の人生に現れたことを本当に嬉しく思っている」
 
決勝トーナメント進出を決めたイングランド代表は、来月5日にセネガルと対戦する。今回のパフォーマンスを踏まえれば、再びラッシュフォードにチャンスが与えられる可能性は高く、天にいる友人にさらなる好プレイを見せることもできるだろう。