運命の第3戦に向けて「引き続き、プラン通りにやりたい」

 日本代表は12月1日、カタール・ワールドカップ(W杯)グループE第3節でスペイン代表と対戦する。試合前日の11月30日、オンライン取材に応じたDF吉田麻也(シャルケ)は、スペイン戦に向けた思いを語った。

 自身3度目となるW杯を戦っている吉田は、「すごく良いスタートを切りましたし、士気も上がっているなかで、2試合目は勝ち点をこぼしてしまった。W杯は、改めて非常に難しいトーナメントだと思うし、緊張感もいつもの試合と全く違う。独特の雰囲気のなかで、どうやって勝っていくかを毎日考えていますし、みんなが日本のために戦うという強い思いで毎日練習に励んでいます。もちろん楽なグループではないことが分かっていたので、簡単にはいかないと思っていましたが、ここからもう1試合、グループリーグ突破に向けて準備したい」と、ここまでの2試合を振り返った。

 サッカー人気の低迷が叫ばれるが、日本代表のキャプテンも危機感を覚えていた。そして「ここ最近は、なかなか地上波でサッカーを見ることができない。サッカーが身近なものになる機会は少なかったと思う。こうやってW杯という大会の出場を決めて、ここで戦うにあたり、いろんな層のサッカーファンに楽しんでもらいたいですし、注目してもらいたい。それが間違いなく未来のサッカーの発展につながる」と語った。

 そのためにも、グループリーグを突破して、さらに試合を戦うことは大きな意味を持つ。吉田も、「ここで突破できるかどうかは、ものすごく日本のサッカーに大きなことですし、将来を左右することになる」と語気を強める。

「ただ1試合目が終わった時も言いましたが、まだ何も成し遂げていないし、2試合目を負けても何も失ったわけではない。引き続きグループリーグは続いていく。もともと、この3試合で突破を決めないといけなかった。やるべきことも、気持ちも変わらない。引き続き、プラン通りにやりたいと思う」と、2試合で勝ち点3があるという状況についての見解を述べた。

 昨年の東京五輪にも、吉田はオーバーエイジ枠で出場している。U-24日本代表は、準決勝でスペインに延長の末に0-1で敗れ、結果的にメダルを逃すことになったが、そこで対戦した経験は明日の試合にも生きるという。W杯でのドイツ戦を見据え、ドイツでのプレーを選択している吉田は、「ディフェンスに関して言えば、相手のことを知るのは非常に大事」と言う。

「相手のやり方であったり、特徴を掴むうえでは、実際に対戦するのはものすごく大事な経験。だからこそ、オリンピックで対戦した経験は生きると思います。特に相手の特徴ややり方。カテゴリーが違えど、戦い方、ボールの動かし方は基本的にスペインは特に変わらない。頭ですごくイメージが沸いているので、プラスになるんじゃないかと思います。それに負けたからっていうのはありますが、『こんなに早く借りを返せるチャンスが来た』というのは、オリンピックに出た選手、みんなが思っていると思う。もう一回チャレンジして、次こそ良い結果を掴みたい」

 日本サッカーの未来のためにも重要なスペイン戦は、日本時間12月2日午前4時にキックオフを迎える。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)