12月2日4時(日本時間)、「FIFA ワールドカップ カタール 2022」グループE・第3節スペイン戦が行われる。勝てば決勝トーナメント進出、引き分け以下なら条件次第で敗退となる運命の一戦を前に、“ドーハの歓喜”の立役者の一人でもある浅野拓磨が現在の心境を語った。

【映像】ワールドカップへの思いを語る日本代表・浅野拓磨

-ここまでの2試合を振り返って。

 厳しい戦いになるなと改めて感じています。ゴールや、第1戦でのドイツ相手の勝利はあるけれど、まだまだ僕らは何も成し遂げていないし、あと1試合で終わるつもりもない。上に行けば行くほど、ワールドカップというものを感じられるのかなと思うので、それを感じるためにも、次の試合で絶対に勝って上にいきたいと思います。

-直前に怪我をした。怪我のコンディションは。

 ワールドカップが始まる前くらいから徐々にコンディションは上がってきて、今は全く問題ないです。自分の100%でプレーできる状態でドイツ戦、コスタリカ戦はプレーしたし、次もまったく問題ない。本当に完璧な状態で試合に臨めるかなと思います。

-9月という時期の怪我は、メンタルに影響するのでは。

 怪我をした当初は、このタイミングで…と正直思いました。でも、少しも諦めてはいなかったし、ギリギリ間に合うかもという状況だったので、逆にワールドカップを目指せることに改めて幸せな気持ちを感じていました。僕自身がやるべきことははっきりしていたので、ワールドカップに向けて少しでも良い状態を作ることに専念できていました。

-リハビリ中、落ち込むことはなかったか。

 最初のほうは順調でしたが、途中で一度検査しようということになって。その検査結果が思ってたのとは違って、トレーニングが足踏み状態になってしまった。そこで、自分の中で1週間くらい、リハビリのイメージが覆されたんです。その、足踏み状態になったときはナイーブにもなりました。でも、一瞬も諦めることはなかったし、ワールドカップのことだけを考えて準備できていました。

-それらの思いを乗り越えてのドイツ戦のゴール、こみ上げるものはあったか。

 僕自身、ゴールを決めた時にはオフサイドかなとも思ったので、素直に喜べなかったというのが正直なところです。その分、ゴールとわかってからも冷静でいられたし、興奮し過ぎず冷静に戦えた試合だったかなと思います。特に、自分の想像を超えた気持ちはこなかったというか、常に自分らしくいれたと思います。

-コスタリカ戦で負け、次のスペイン戦で勝たなければいけないという、ハードな状況になったことをどう思うか。

 こういう状況になって、まわりから「次は勝たないといけない」と言われることは多いけど、どのみちそうだったと思っています。ドイツに勝つことを想像できていたか、絶対にコスタリカから勝ち点3を取れていたのか、と言えばそうではなく、今、勝ち点3があるという結果がすべて。勝てば上にいけるという状況に僕らは全力を注げる。勝たなければいけないというよりも、勝てばいいという気持ちで準備をしています。色々な雑音はあるけれども、僕ら選手は余計なことを考えず、勝ちに行くことだけを考えてやれている。むしろ、こういう状況になったからこそ、準備ができているのかなと思います。残り1日しかないですが、しっかり勝つための準備をしていけたらいいかなと思います。

-スペイン対策についての議論は、これまでの2試合よりも活発に行われているのか。

 どの試合も選手間や、選手とスタッフの間で意見の言い合いがあり、それはこれまでと同じだと思います。どのチームとやっても戦い方は変わってくる。ここでしっかりと勝ちに行くことを考えた時に、ひとりひとりの意見がバラバラになってしまうことが一番避けたいことなので、みんなが意見を言ってしっかり共有することが大事かなと思います。そこは今までどおり、良い準備ができているんじゃないかと思います。

-広島時代から共に戦っている森保監督への思いは。

 僕自身、森保監督に対して信頼している。自分を使ってくれたら絶対に結果につなげるぞという気持ちもあります。監督がどう思っているかは監督に聞いてもらえたらと思いますけど、僕は信頼しています。でも、それは僕だけに限らず、チーム・監督・スタッフが全員、チームを信頼しあえているんじゃないかな。全員が、全員のために戦えるチームになっているんじゃないかと思います。

-日本代表への期待にどう応えていくか。

 期待に対しても、自分たちは気にせずにやりたいなと思います。僕たちが僕たちのために全力でプレーすることが応援してくれている人のためにもなるのかなと思うので、あまり周りのことは気にせず、自分たちができることだけに集中してやっていけたらなと思います。

(『ABEMANEWS』より)