【FIFA ワールドカップ カタール 2022・グループD】チュニジア1-0フランス(日本時間12月1日/エデュケーションシティ スタジアム)
終盤に二転三転、異例中の異例の結末を迎えた試合は、筋書きのない映画のようだった。チュニジアがフランスから歴史的初勝利を挙げると思われたが、ラストプレーで同点に。しかし試合後のVARでゴールが取り消されて一転、スタジアムは“赤い歓喜”に包まれた。
グループDの最終戦、フランスは連勝ですでに突破を決め、チュニジアは勝利した上でもう一方の試合の結果次第で逆転突破できるという試合は、壮絶な結末が待っていた。
フランスがターンオーバーで先発メンバーを9人も入れ替える中、試合は序盤からチュニジアがペースを握っていた。スコアレスで迎えた58分にワフビ・ハズリの一撃で先制に成功すると、いよいよフランスが“本気モード”に。キリアン・エムバペ、アントワーヌ・グリーズマン、ウスマン・デンベレらを投入して猛攻を仕掛けたが、チュニジアも耐え凌ぐ。アディショナルタイムは8分、中継の表示で、まさにその8分を迎える直前だった。
中央左からのクロスがこぼれたところをグリーズマンが右足でフィニッシュ。シュートは無情にもチュニジアのゴールネットを揺らし、試合は一度、1-1でタイムアップを迎えた。実況も「試合終了」を伝え、チュニジアのサポーターの目には涙が浮かんでいた。しかし直後に審判がVARチェックに入り、オフサイドがあったとしてゴールが取り消しとなる。異例の事態にスタジアムは騒然とする中で試合は再開し、わずかな時間の後、タイムアップのホイッスル。スタジアムは一転してチュニジアサポーターの歓喜に湧き上がった。
衝撃的すぎる結末に、ABEMAで解説を務めた中田浩二氏も「こんなことあるんですね」と唖然としつつも「試合を通して勝利に値する」とチュニジアを称賛。視聴者も「ええええええ」「無慈悲オフサイド」「デシャン呆然w」「ハリウッド映画かよ」「えぐすぎるラストやー」「劇的すぎるぞ」と次々に驚きのコメントを書き綴っていた。
結果的に、同グループのオーストラリアが1-0でデンマークに勝利した結果を受けて、2大会連続6回目の出場となったチュニジアのグループステージ敗退が決まった。しかし彼らはフランスから歴史的な勝利を収め、大きな爪痕を残して今大会を去ることになった。
(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)