難関を突破した日本

2日、FIFAワールドカップ・カタール大会を戦う日本代表は、決勝トーナメント進出を懸けて強豪スペインと対戦。結果的に、彼らは初戦のドイツ戦に続いて2度目のジャイアントキリングを起こしているが、この2試合では興味深いデータが残った。
 
FWアルバロ・モラタに先制ゴールを許しながらも、後半に入ってからのFW堂安律とMF田中碧のゴールによって逆転に成功した日本。そこから試合終了までスペインの攻撃を凌ぎきり、見事に2-1の勝利を飾った。
 
これにより、グループステージの成績を2勝1敗の勝ち点6とした日本は、グループ首位での決勝トーナメント進出を決めている。コスタリカ戦こそ0-1で落としたが、優勝候補と目されていたドイツとスペインから勝ち点3を奪えたことは非常に大きかった。
 
この2試合で共通するのは、終始攻め込まれながらも少ないチャンスをものにして逆転に成功したことだ。FIFAが公表しているデータによれば、ドイツ戦の日本は261本のパスを試みたのに対し、ドイツは820本と4倍近いパス本数を記録している。スペイン戦は日本が237本、スペインが1059本とパス本数の差はさらに広がった。
 
データサイト『Opta』によれば、ワールドカップの詳細なデータが残されるようになった1966 年以降、700 本以上のパスを試みながら試合に敗れたチームは2つしかないようで、それが先週の日本戦のドイツと今回の日本戦のスペインだという。
 
それに対し、日本が敗れたコスタリカ戦は、日本が575本、コスタリカが444本と唯一日本がパス本数で上回っていた。ボールを保持しながらゴールを目指すよりも、ボールを持っている相手に対してカウンターを発動する方が効果的だったことは、データに如実に表れている。
 
日本の決勝トーナメント1回戦の相手は、グループFを2位で突破したクロアチアだ。彼らは前回大会の準優勝国だが、恐らくドイツやスペインほどはパスを繋いでこないと思われる。日本が3度目のジャイアントキリングを起こすには、意図的にクロアチアにボールを持たせられるかどうかが鍵を握ることになるかもしれない。