韓国国内は新たな“ドーハの奇跡”に熱狂している。

 現地12月2日、韓国代表はカタールワールドカップの第3戦で強豪ポルトガルを2-1で下し、逆転でのグループH突破を果たした。もうひとつのカードでガーナに勝利したウルグアイと勝点4で並んだが、総得点の差で上回って2位の座を獲得。3大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出を果たした。

 狂喜乱舞しているのはメディアも同様だ。スポーツサイト『Sportal Korea』は「ドーハ、韓国の約束の地」と題してレポートを掲載。29年前のエピソードを持ち出して、カタールの首都ドーハは韓国サッカーにとって縁起の良い場所であると強調した。

 1993年10月にドーハで集中開催された、アメリカワールドカップ・アジア最終予選だ。5チームによる総当たり戦で韓国は日本に史上初めてワールドカップ予選で敗れるなど、波の激しいパフォ―マンスを披露。最終節は自力で本大会出場を決める状況になく、日本vsイラク戦の結果が命運を握っていた。

 結果は周知の通りだ。日本はアディショナルタイムにイラクに同点とされ、北朝鮮に勝利した韓国が2位に浮上して出場切符を勝ち取った。いわゆる日本側から見た“ドーハの悲劇”である。
 
 一方で、韓国では長らく“ドーハの奇跡”として語り継がれてきた。そして今回、『Sportal Korea』は「ドーハでの奇跡は今回が初めてではない。29年前のワールドカップ最終予選で日本を突き落とした、あの日を我々は思い起こす。今度は本大会で奇跡が起こった。ドーハは永遠に、韓国代表が奇跡を起こした約束の地として記憶されるに違いない」と伝えている。

 29年前は自力で掴んだ栄誉ではないのだが……。韓国はベスト16でブラジルとの対戦が濃厚。もし勝ち上がれば、準々決勝は日本vsクロアチア戦の勝者が相手で、ワールドカップ史上初の日韓戦が実現する可能性がある。“悲劇”に終わるか、“奇跡”を継続させるか、まだ結論は出ていないだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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