オンライン会見でプレミアでの経験や意識の変化を回答
日本代表DF冨安健洋は、昨シーズンからイングランド1部アーセナルでプレーしている。世界有数のビッグクラブに所属するなかで、自身の成長も感じられているのだろう。
現在、カタール・ワールドカップ(W杯)を戦っている日本代表は、ドイツ代表とスペイン代表にそれぞれ2-1で勝利した。それでも、まだ日本が成長しなければいけないと、2試合を通じて感じたようだ。
「欲を言えば、この先、次のステップに進むためには、ああいう戦い方ではなく、しっかりと主導権を握って、僕たちがアジャストする形ではなく、僕たちが主導権を握って、僕たちのやり方で勝てるようになれば次のステップに進めるんじゃないかと思います」と語った。
そのためには、より多くの選手がビッグクラブへステップアップする必要があると説く。
「全選手が所属チームでやっていることが代表にもつながる。少しでもレベルの高いリーグ、クラブでプレーすることで、日常が変わってくると思う。世界的な強豪国は、当たり前のようにプレミアリーグ、世界的に見てもビッグクラブでやっている選手が多い。そうした国になっていければいい。少しでもレベルの高いところでサッカーをすることが、大事なポイントだと思います」
日本がベスト8という目標を達成するためには、次のラウンド16を超えなければいけない。そこで対戦するのは、前回大会準優勝のクロアチアだ。クロアチアの印象について、冨安は「前回大会準優勝していますし、僕は前回大会見ていて、一番印象に残っている国の1つ。本当に全選手がハードワークしていましたし、見ている人たちが応援したくなるような国の1つだと思いました。そういった国に対して、どれだけできるかをピッチ上で表現できればと思います」と語った。
その中盤には、MFルカ・モドリッチをはじめ、MFマテオ・コバチッチ、MFマルセロ・ブロゾビッチがいる。いずれも、冨安が言うようにビッグクラブで活躍する名手であり、冨安も「中盤3人はレアル、チェルシー、インテルと世界的に見てもビッグクラブでやっている3人。中盤のクオリティは本大会に出ている国でもベストの国の1つだと思っている」と警戒する。
そして、絶対にやられてはいけない選手として、1人の名前を挙げた。「あとはトッテナムのウイングの(イバン・)ペリシッチ選手。彼とはイタリアの時にもやっている。トッテナムに加入してからは対戦していないが、良い選手だなと感じているので、そこはアーセナルの選手ですし、トッテナムの選手には絶対にやられてはいけない。しっかりやりたい」と意気込んだ。
トッテナムには負けられないという意識については「強いですね。それはサポーターの人たちもそうですし、アーセナルでプレーしていると、勝手にそういう意識が芽生えてくる。もちろんサポーターの人たちも『そこだけはやらせるな』と思っている。しっかり抑えたいなと思います」と、ライバルクラブの選手を封じると宣言した。
アーセナルファンにとっても注目となる一戦。コンディションも気になる冨安だが「スペイン戦も出場したし、コンディションは良くなる」と言い、90分間の出場にも「大丈夫」とキッパリ。現在の日本代表でも、最もビッグクラブでプレーしているDFが、ついにW杯初先発することになるかもしれない。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)