トルコ国営放送(TRT)が、カタール・ワールドカップ(W杯)の試合中継を担当していたコメンテーターをハーフタイムに解任したようだ。イギリス『サン』などが伝えている。

事件が起きたのは1日に行われたグループF最終節のカナダ代表とモロッコ代表の一戦。試合は開始早々の4分にモロッコが先制し、2-1で逃げ切って勝利を収めたが、TRTの中継でコメンテーターを務めていた男性が、ハーフタイムに突如として降板させられたという。

その理由とは、元トルコ代表FWハカン・シュキュル氏の名前を口にしたため。同氏はトルコ代表を日韓W杯で3位へと導いた国民的英雄だが、現役引退後の政界進出時に政権与党との関係が悪化した上、国内で起きたクーデター未遂に関与したとして、2016年に逮捕状が出されている。

シュキュル氏自身は2015年からアメリカに亡命しているものの、コメンテーターはモロッコのMFハキム・ツィエクが4分にいきなりの先制点を挙げたことに関連し、「W杯の最速ゴール記録はハカン・シュキュル」と口に。これにより、政権寄りの国営放送が動いたという形のようだ。