【専門家の目|家本政明】スペイン戦で出たイエローカード、主審の印象に言及

 森保一監督率いる日本代表は、カタール・ワールドカップ(W杯)グループEを2勝1敗の成績で首位通過。スペイン代表、ドイツ代表を破る2度の“大金星”を見せた。元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、大会を通してのレフェリーの傾向について持論を展開している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也)
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 現地時間12月1日に行われたスペイン戦で、日本は先制されながらも後半に巻き返し2-1と逆転勝利。この試合のレフェリングを担当したビクトル・ゴメス主審に対する印象を家本氏に尋ねると、日本の選手に提示された3枚のイエローカードへ違和感を覚えたことを明かした。

「反則を丁寧に取っていこうという意図を感じていました。基本的にはW杯でレフェリーたちに通達されているスタンダードどおりだったと思います。背後からのタックルに関しては厳しく取っている感じがありましたね。板倉(滉)選手のシーンは警告も致し方ないかと思います。それでも前半の谷口彰悟選手、吉田麻也選手へのイエローカードはちょっと厳しい判定だったかなと思います。その前にも似たような事象があったんですが、そこではカードが出なかった。公平性でいうと残念な判定ではありました」

 しかし、この判定以上に家本氏が気になったのは、主審の立ち位置だったという。

「ポジションが邪魔でしょうがなかったですね。最近のW杯の傾向として、『近くですべてのプレーを見なさい』というFIFA(国際サッカー連盟)からのスタンダードを体現しているイメージです。ただ、選手の邪魔になっている場面もあり、個人的にはこのレフェリングは好きじゃないです。なぜならポジションはレフェリーのものではなく選手のものだからです」

 そう持論を展開した家本氏。ただそのポジショニングはW杯仕様のもので、今大会で笛を吹くトップレフェリーたちは普段の公式戦ではまた「微妙に違うポジションを取っているので面白いですね」と話す。「レフェリー側がFIFAの指示にアジャストしている感じですね。大事なところで近くにいる安心感はあるので、一長一短ではあると思います」とレフェリングの違いへ見解を示した。(FOOTBALL ZONE編集部)