サッカー日本代表は現地5日、カタールワールドカップの決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表と対戦する。

 両国が初めてワールドカップに出場したのは、1998年のフランス大会で、同じグループHに入った。グループステージ第2戦で対戦すると、クロアチア代表が日本代表に1-0で勝利。そして、グループステージ敗退となった日本代表とは対照的に、順調に勝ち上がった“ヴァトレニ”は初出場ながら3位という好成績を収めた。

 クロアチア代表は比較的新しいチームだ。近隣国も含めて分裂と合併を繰り返してきた歴史があり、現在のクロアチア共和国がユーゴスラビア社会主義連邦共和国から独立を果たしたのが1991年のこと。1994年のアメリカワールドカップはFIFA未加盟だったため出場できず、4年後のフランス大会が初出場になった。

 その後は2010年の南アフリカ大会を除き、全てのワールドカップに参加している。2018年のフランス大会では3度の延長戦と2度のPK戦を勝ち抜き、初出場だった1998年を上回る準優勝という快挙を成し遂げた。

 クロアチア代表のワールドカップにおける成績で特徴的なのは、決勝トーナメントに進出した際の勝負強さだ。2002年日韓大会、2006年ドイツ大会、2014年ブラジル大会はグループステージ敗退。一方、グループステージを突破した1998年フランス大会と2018年ロシア大会は、ともに準決勝以上に進出していた。

「東欧のブラジル」と呼ばれた旧ユーゴスラビア代表の流れを汲み、卓越したテクニシャンが歴代のチームの中心を担ってきたクロアチア代表は、華麗さと泥臭さを兼ね備える。ピッチ上の全員がハードワークを怠らず、試合終了の瞬間まで戦い抜く姿勢は、MFルカ・モドリッチのようなテクニカルな選手にまで浸透している。

 今大会はグループステージの2試合がスコアレスドローとなり、3試合を通してもわずかに1失点と粘り強い守備が光っている。堅実な戦いで決勝トーナメントに進んできたら、過去の例に倣えば上位進出への道が見えているだろう。

 日本代表との対戦は2006年のドイツ大会のグループステージ第2戦以来となる。当時の試合に出場した選手で唯一現在もクロアチア代表の中心であり続けているのが、モドリッチだ。ジーコジャパンのベンチに座っていたDF中田浩二やMF小野伸二は、ワールドカップの熱狂を日本に伝えるべくメディアの一員としてカタール入りしている。

 通算対戦成績は3試合で1勝1分1敗の五分になっている。今回は日本代表が勝利し、同国史上初のベスト8進出を決めるか。あるいはクロアチア代表が2大会連続の決勝進出と悲願の世界一へ前進するか。似たような性質を持つチーム同士が激突する注目の一戦は、現地5日18時(日本時間6日0時)にキックオフの笛が吹かれる。

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