サッカー日本代表は現地5日、カタールワールドカップの決勝トーナメント1回戦でPK戦の末クロアチア代表に敗れた。

 1-1のまま延長戦でも決着つかず、勝敗の行方はPK戦に委ねられた。そこで日本代表はまさかの3人が失敗。相手GKドミニク・リヴァコヴィッチにMF南野拓実、FW三笘薫、DF吉田麻也のPKを止められ終戦となった。

 自身4度目のワールドカップ出場だったDF長友佑都は「悔しさが大きいですけど、今日一生懸命戦った素晴らしい後輩たちと勇気を持ってPKを蹴った選手たちを称えてほしいと思います。日本のために勇気を振り絞って勇敢に立ち向かった、その姿というのは僕自身も本当に誇りに思いますし、彼らがこの経験を日本サッカーの今後に確実に繋げてくれると、僕は確信を持っています」と胸を張った。

 2010年南アフリカ大会、2018年ロシア大会、そして今大会と長友は3度にわたって同じベスト16での敗退を味わっている。それでも「全体を通じて、確実に成長したと言えます」と日本サッカーの進歩を実感していた。

「クロアチア代表に劣っているとは全く思いませんでしたし、やっていても自分たちの力を十分に発揮できていた。もちろんトップに行くためには全てをレベルアップしないといけないですけど、皆さんも見ての通り、素晴らしい自分たちのサッカーができたんじゃないかなと思います」

 長友はあと一歩で日本サッカー史上初のベスト8進出を逃し「無念でならない」と語るが、「後輩たちがたくましさ、魂こもった戦いを見せてくれたので、僕は新しい未来を見たなと確信しています」と語る。

「もちろん悔しさはあるんですけど、後輩たちが新しい景色を見せてくれた、未来を見せてくれたと思うんです。日本サッカーは確実に世界でも戦えると、僕は自信を持って言えます」

 チームの目標としていた準々決勝の舞台で「新しい景色」を見ることは叶わなかった。それでも日本代表の「新しい未来」は垣間見えたようだ。

 では、自身の今後についてどう考えているのか。現在36歳の長友は「僕の15年の日本代表での人生を全て懸けて、集大成と思って戦った」。ロシアワールドカップでベルギー代表に敗れてベスト16敗退に終わってから「ワールドカップだけを考えてやってきた」がゆえに、「この先のことは全く考えていない」という。今後も日本代表を目指し続けるのか、明言することはなかった。

「自分がやってきたことは正解かどうかわからないですけど、素晴らしいチームをみんなが見せてくれた。日本中に勇気と感動を届けられたんじゃないかなと思います。そういった意味で自分も少しは貢献できたかなと思うので、やってきたことには全く後悔はなく、また強い気持ちで前に進みたい」

 改めて「こんな下手なおじさんを生かしてくれたのは後輩たちだし、最高の監督の森保さんだし、自分の中では感謝しかない」と述べた長友は、ワールドカップでのベスト8進出というバトンを次の世代へつないでいく。

(取材:元川悦子、文・構成:編集部)

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