【FIFA ワールドカップ カタール 2022・決勝トーナメント1回戦】フランス3-1ポーランド(日本時間12月5日/アルトゥママ スタジアム)
歓喜の勝利の裏には、涙の敗戦もある。ワールドカップの大舞台で全力を尽くしたポーランド代表のGKシュチェスニーは、前回優勝のフランス代表に3ゴールを許し、無念の敗退になった。ピッチを去った後、通路で待っていた息子の目には涙。静かに語りかける様子が、国際映像に収まっていた。
シュチェスニーは世界を代表するGKの一人で、とりわけPKセーブ率には突出したものがある。今大会でもグループリーグの激戦では第2戦のサウジアラビア代表戦でPKを止めると、直後に押し込んできたシュートにまで反応する驚異的なセーブ。さらに第3戦、アルゼンチン代表戦では、こちらも世界的スタープレイヤーであるメッシのPKを止め、史上3人目となる1大会で2本のPKを止めたGKになった。
ベスト8をかけたフランス代表との一戦でも奮闘したが、大会得点王候補のエムバペに2ゴールを許すなど、計3失点。ポーランド代表は後半アディショナルタイムにレバンドフスキがPKで1点返すのがやっと。同国初のベスト8進出はならなかった。
試合後、声援してくれたサポーターに応えた後、ピッチを後にしたシュチェスニーだが、それを待っていたのが愛息。必死に戦った父を出迎えたが、悔しさに息子の目にはみるみる涙が溜まっていった。シュチェスニーは「ごめん」と言うように言葉をかけ続けると、たくましい腕で息子をひょいと抱き上げ、そのままロッカールームへ。国の期待を背負った激しい戦いから解放され、その背中は父のものに戻っていた。
(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)