日本代表がカタール・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表にPK戦の末に敗れ、ベスト16で敗退した。これで2002年の日韓大会、2010年の南アフリカ大会、2018年のロシア大会に続く4度目。またも悲願のベスト8進出は叶わなかった。
クロアチア戦後、報道陣から「ベスト8を超えられなかった壁はどういうもの?」と問われた冨安健洋は「うーん、分からないです」と断言はできないことを前置きしつつも、ひとつの見解を絞り出した。
「日本人の育った環境だったり、サッカー以外のところもそうですけど、そこの本当の根のところなのかもしれない。そういうのを差し引いても勝たないといけなかったです。何かを変えていかないと。これだけ敗れていない壁なので」
「分からない」と前置きしただけに、「育った環境、本当の根」について具体的な言及はなかった。ただ、冨安は、次のようなサッカー観も語った。
「サッカーは表面だけではなくて、そこにはいろんな理由がある。そこの表面だけではないところをどれだけこだわれるか、目に見えないところもこだわれるかで結果が変わってくる。本当にまだまだなんだなと思います」
イングランドのアーセナルに所属し、世界最高峰のプレミアリーグで揉まれ続ける冨安は、クロアチア戦での自らの出来に反省しきりでもあった。
「僕個人のパフォーマンスは本当に良くなかった。そういう意味ではチームに迷惑をかけた。大事な試合でパフォーマンスを発揮できない自分に苛立ちしかない。本当にしょうもない。何をやっているんだろうという気持ちが強い。今日も含め、トップパフォーマンスを出せた試合はなかったですし、怪我もあって、嫌になりますね、ホント」
またもベスト16敗退に終わった日本に何が足りなかったのかは、そう簡単に導き出せる答えではないのだろう。ただ、世界トップレベルの環境に身を置く男が発した重みのある言葉から察するに、冨安が重要なヒントを持っている可能性はあるかもしれない。
構成●サッカーダイジェスト編集部
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