決勝トーナメント1回戦でスペインとモロッコが激突

 カタール・ワールドカップ(W杯)の決勝トーナメント1回戦、E組2位通過のスペイン代表とF組1位通過のモロッコ代表の対戦は0-0のまま延長を含めた120分間を終え、PK戦の末にモロッコが勝利。同国史上初のベスト8進出を決めた。

 キックオフ直後からスペインはグループリーグ第3戦の日本代表戦と同じようにボールを圧倒的に保持し、相手を自陣内に押し込む展開に。しかし、モロッコも最終ラインから前線まで非常にコンパクトな陣形を保ってスペインのパスワークに対応し、ボールを奪ってからの速攻で反撃に転じた。それぞれが持ち味を発揮し、一歩も譲らない攻防が繰り広げられた。

 お互いにチャンスを作りながらも前後半90分でスコアは動かず、延長戦へ突入。延長前半14分、モロッコはFWワリド・シェディラに決定機が訪れたが、ここはスペインGKウナイ・シモンがファインセーブ。疲労が蓄積してプレーの精度が下がるなかでも、選手たちは最後の最後まで集中力を切らさなかった。

 延長後半18分にはスペインも途中出場直後のFWパブロ・サラビアがフリーでボレーシュートを放ったが、枠を捉えることはできず。その直後に延長後半も終了し、PK戦での決着となった。

 PK戦は先攻のモロッコが2人連続で成功させたのに対し、後攻のスペインは1人目のサラビア、2人目のMFカルロス・ソレール、3人目のMFセルヒオ・ブスケッツと立て続けに失敗。モロッコGKヤシン・ブヌが気迫の連続セーブを見せた。そしてモロッコは4人目のDFアクラフ・ハキミが成功させ、PKスコア3-0。ジブラルタル海峡を挟んで向かい合う両国が死力を尽くしてぶつかりあった激闘はモロッコに軍配が上がった。
 
 敗れたスペインは2大会連続決勝トーナメント1回戦で敗退。一方、日本代表も率いたバヒド・ハリルホジッチ前監督の下でアフリカ予選を勝ち抜き、その後にワリド・レグラギ監督が後を引き継いで躍進したモロッコは史上最高成績を更新するベスト8へ駒を進めた。アフリカ勢のベスト8は2010年南アフリカW杯のガーナ以来のベスト8進出となる。

 そしてモロッコは準々決勝でポルトガル代表とスイス代表の勝者と対戦する。(FOOTBALL ZONE編集部)