現役時代はウエストハムやチェルシー、イングランド代表としても活躍したジョー・コール氏が、FIFAワールドカップカタール2022で快進撃を続けるモロッコ代表を絶賛した。6日、イギリス紙『デイリー・メール』が伝えている。
モロッコ代表は今年8月、かねてから主力選手との確執など、選手選考面での風当たりが強まっていたヴァイッド・ハリルホジッチ前監督の更迭を決断。本大会を3カ月後に控える中、指揮官交代に踏み切った同国代表は、ワリド・レグラギ新監督に命運を託した。するとモロッコ代表は、前回大会ファイナリストのクロアチア代表、FIFAランク2位のベルギー代表らを抑えて、グループF首位通過。迎えた決勝トーナメント1回戦、ジブラルタル海峡を挟んだ“隣国”スペイン代表と対戦し、PK戦にまでもつれ込んだ死闘の末、同国代表史上初のベスト8進出を成し遂げた。
グループステージからの快進撃を続けて、スペイン代表をも撃破したモロッコ代表。“アトラスの獅子”の雄姿を目の当たりにしたジョー・コール氏は「これこそロマンだ。ワールドカップのラブストーリーだ」と万感。さらに「ワールドカップのノックアウトステージで初めての衝撃を受けた。この監督は、チームを率いて6試合目だなんて…。彼らは滅茶苦茶だった。ツィエクは前監督の下で出番がなく、プレーもしたがらなかったね。監督には感心している。交代させるタイミングも、選手交代も、戦術も。いいチームを見ると、その背後には必ずいい監督がいるものだ。彼は彼らを活気づかせた」とレグラギ監督の手腕を絶賛している。
またチェルシーのOBでもあるジョー・コール氏は、同クラブでプレーするFWハキム・ツィエクにも言及。同試合で見せたツィエクのパフォーマンスについて、「チェルシーに2年も在籍しているのに、あのような働きを一度も見たことがない。今夜の彼は守備で傑出していた」と語りつつ、「彼がボールを保持している時に何ができるかは知っている。物事を作り出すこと、フットボールを扱うこと。だけど今宵は、彼が2人いた」と同選手への賛辞を口にした。
ついに歴史を動かしたモロッコ代表。北アフリカからやってきた獅子たちの旅はどこまで続くのだろうか。