いつでもチームのために走り回る献身性

今大会のイングランド代表は強い。中盤ではジュード・ベリンガム、メイソン・マウント、フィル・フォーデン、デクラン・ライスら若手タレントが躍動しており、新・黄金世代と呼ばれるのも頷ける。

しかし、中盤ではベテランの働きも見逃せない。彼らに比べると地味かもしれないが、ベスト16のセネガル戦で先制点を決めたジョーダン・ヘンダーソン(32)も称賛されるべきだろう。

フォーデンやベリンガムに比べ、ヘンダーソンはワールドクラスのテクニックを備えているわけではない。しかし代表監督ガレス・サウスゲイトの信頼は厚く、リヴァプールでのプレイ時と同じようにとにかく走り続けてくれる。先発、途中出場のどちらにも対応でき、その献身性とリーダーシップは若手が多い現イングランド代表に欠かせないものだ。

これまでヘンダーソンは代表通算72試合に出場しており、セネガル戦は3ゴール目だった。決して得点数は多いとは言えないが、EURO2020準々決勝のウクライナ戦でもゴールを奪うなどメジャートーナメントで力を発揮してくるあたりは面白い。英『The Sun』も不思議な勝負強さとヘンダーソンのゴールを称えており、セネガル戦でもヘンダーソンの先制パンチが大きかった。

イングランドは今回のFIFAワールドカップ・カタール大会優勝候補の一角だ。どうしても注目はフォーデンやブカヨ・サカといった若手、そしてエースのハリー・ケインに集まってしまうが、チームをまとめるリーダーのヘンダーソンの存在も重要だ。