【FIFA ワールドカップ カタール 2022・決勝トーナメント1回戦】モロッコ0(PK3-0)0スペイン(日本時間12月7日/エデュケーションシティ スタジアム)

ラ・リーガで成長した男がスペイン代表の前に立ちはだかった。ベスト8をかけたPK戦でスペイン相手に一本もPKを決めさせなかったのだ。これにはチームメイト、スタンドに訪れたモロッコサポーター、そして視聴者も「ボノ!ボノ!ボノ!」と絶叫した。

【映像】圧巻!モロッコ代表守護神ボノのPKストップ

 ベスト8を賭けた一戦は延長戦を含めた120分間を戦い抜いても0-0と、決着がつくことはなかった。そしてこの勝負の行方は無情にもPK戦へと委ねられた。

スペイン代表の1人目のキッカー、パブロ・サラビアのPKはポストに阻まれた。そしてここからが「ボノ劇場」の始まりだった。2人目のキッカー、ソレールに対して、ボノはPKの前になにかを語りかけていた。この巧みな心理戦も功を奏し、ボノはソレールのキックを完全に読み切って見事にセーブしたのだ。

 そしてスペイン代表3人目のキッカーは2010年の優勝メンバーであり、現主将セルジオ・ブスケツ。このPKもボノが完璧に読み切り、右手一本で防いだ。対するモロッコは1人が失敗するも3人が決めて、ベスト8進出を勝ち取った。

 モロッコの最終キッカー、ハキミのPKがネットを揺らすと、スタジアムはピッチ、スタンド一体となって大喜び。歴史的な勝利の立役者となったボノはチームメイトから胴上げで祝福され、会場に駆けつけた大量のモロッコサポーターも含め歓喜の輪が広がった。

 ボノの連続セーブにABEMA視聴者も驚きを隠せない。「キーパーえぐい」「キーパーバケモン」「ボノ・ボノ・ボノ!」「キーパー英雄になった」と賞賛の言葉が相次いだ。

 ボノは21歳でスペインへと渡り、アトレティコ・マドリードやジローナ、セビージャなどで成長を続けてきた。その成果がワールドカップという大舞台、それもモロッコ史上初のベスト8が懸かった”スペイン代表戦”で発揮されたのだった。

 これまでの全ての努力が報われた瞬間だったのかもしれない。

(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)