11月20日に幕を開けたカタール・ワールドカップ(W杯)も残すところあと2試合。大会22日目は、3位決定戦が開催され、ともに準決勝で涙を飲んだクロアチアとモロッコが激突する。
両チームは今大会、同じグループFに入り、初戦で一度対戦している。その試合では互いに大きな見せ場は作れず、スコアレスドローに終わった。初戦ということで慎重になっていた部分が多く、今度は違う試合展開になることが予想される。
クロアチアの強みは、粘り強い戦いぶりだ。グループリーグのベルギー戦では、失点すれば敗退が決まるという状況の中、相手の猛攻をことごとく跳ね返し続け、勝点1をもぎ取った。決勝トーナメントでもラウンド16の日本戦、準々決勝のブラジル戦ともに先制を許しながらも追いつき、PK戦の末に勝利を掴み取っている。
キャプテンのルカ・モドリッチはもちろん、今大会で大きく名を揚げた20歳のCBヨシュコ・グバルディオル、日本戦で同点のヘディングシュートを決めたイバン・ペリシッチなど、各ポジションにワールドクラスのタレントを擁している。
対するモロッコは堅守を軸に勝ち上がり、アフリカ勢初のベスト4という快挙を成し遂げた。今年の8月に就任したワリド・レグラギ監督がチーム全員に守備の意識を浸透させ、ここまで6試合で3失点、クリーンシートは4試合を数えている。その守備力は、豪華な攻撃陣を揃えるベルギーやスペイン、ポルトガルといった列強国でも崩すことはできなかった。
ハキム・ジイェフ、アシュラフ・ハキミの二枚看板はもちろん、今大会で価値を高めたソフィアン・アムラバト、アゼディン・ウナヒ、ソフィアンヌ・ブファルなどこちらも多士済々だ。
注目選手を挙げるとすれば、センセーショナル活躍を見せている両守護神。クロアチアのドミニク・リバコビッチとモロッコのボノだ。両者が特に輝きを放ったのはPK戦でのパフォーマンス。リバコビッチは日本戦で3本、ブラジル戦で1本と、一つの大会で史上最多タイ記録となる4本のセーブを記録。対するボノはラウンド16のスペイン戦で2本のシュートを止め、ポストに弾かれた1人目のキックも含めてPK戦で一度もゴールを許さなかった。
仮にPK戦までもつれ込むことがあれば、大会屈指のPKセーバー同士の直接対決に注目だ。
勝利で大会を締めくくるのはクロアチアか、それともモロッコか――。
【大会22日目】12月17日(土)に行なわれる試合
※対戦カード/キックオフ時間(日本時間)/放送予定
クロアチア対モロッコ(3位決定戦)/24時/ABEMA、フジテレビ
構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部