W杯でサポーターのゴミ拾いが脚光、掃除をする日本人の行動に海外メディアが注目
カタール・ワールドカップ(W杯)で日本サポーターのゴミ拾いが世界から脚光を浴びたなか、海外メディアはその美化精神に注目。「日本のファンを突き動かす衝動は何なのか」とし、日本文化の特質に触れながら掃除をする日本人の行動にスポットを当てている。
日本サポーターによるスタンドのゴミ拾いはこれまでのW杯でも脚光を浴びてきたなか、今大会でもグループ初戦のドイツ代表戦後に清掃活動に努めるファンの姿が話題を呼び、世界各国メディアが称賛。その後も日本人サポーターが試合後、スタジアムのゴミを集める光景が見られ、ゴミ拾いは他国のサポーターにも波及した。
そんな日本人の美化精神について、インド紙「ザ・タイムズ・オブ・インディア」が注目。「日本のファンがスタジアムを掃除する。かっこいいけど、なぜ?」と見出しを打ち「ロシアで開催されたW杯でも、日本のファンが試合後のスタジアムを綺麗に掃除していた。彼らを突き動かす衝動は何なのだろうか」と綴り、その背景に脚光を当てている。
記事では「世界の子供たちは“綺麗好き”であることを教わるが、日本では“綺麗好き”を行動に移す」とし、その一例として、小学校では子供たちが教室や廊下を掃除していることを紹介。そうした事実を踏まえながら「大人になっても、身の回りを綺麗にすることが日常的になっている」と綴られている。
さらに、日本古来の宗教にも話題を広げ、「日本で信仰されている禅宗でも、清潔さが重視されている。そのため、ゴミ箱がなくても、自分でゴミを持ち帰る習慣がある。W杯に参加するファンは、この精神を持ち帰るのです」と指摘。こうした背景から、日本人にとって掃除は「アタリマエ」だとし、スタジアムでのゴミ拾いもごく自然のことだと示された。
W杯が開催されるたび、注目されてきた日本人の美化精神。記事の最後では「日本社会は、尊敬と礼儀、そして最も重要なことは、自分を育ててくれた社会に恩返しをするという考えに基づいて構築されている。掃除は、単に市民としての義務ではない。それは日本文化の本質であり、真の姿なのだ」と、日本独特の習慣を伝えていた。(FOOTBALL ZONE編集部)