FIFAワールドカップカタール2022・準々決勝が9日に行われ、オランダ代表とアルゼンチン代表が対戦した。
グループAを首位通過したオランダ代表は、3日に行われた決勝トーナメント1回戦のアメリカ代表戦に3-1で勝利。前回大会には出場していないことから、2014年のブラジル大会以来、2大会ぶりのベスト8入りを果たした。一方、アルゼンチン代表は同日に行われた決勝トーナメント1回戦ではオーストラリア代表を2-1で下した。オランダ代表と同じく2大会ぶりのベスト8に進出している。
オランダ代表はアメリカ代表戦からスターティングメンバーを1名を変更。ステーフェン・ベルフワインがグループA第2節のエクアドル代表戦以来のスタメン入りを果たした。一方、アルゼンチン代表もオーストラリア代表戦から1名のみの入れ替えとなっている。リサンドロ・マルティネスがグループC第2節のメキシコ代表戦以来の先発に復帰し、負傷の影響が懸念されていたロドリゴ・デ・パウルも問題なくスタメン入りとなっている。
試合は序盤からアルゼンチン代表が相手陣内に押し込む展開となり、オランダ代表は自陣で待ち構えながら、鋭いカウンターを狙う展開に。22分には“この男”がチャンスを作る。細かいボールタッチで寄せてきた相手選手を置き去りにしたリオネル・メッシが、ペナルティエリア手前から左足を振り抜くも、シュートは枠の外へ外れた。
均衡が破れたのは35分。ナウエル・モリーナからのパスを受けたメッシがドリブルで相手選手を引きつけ、ペナルティエリア内にパスを送る。抜け出したモリーナがGKとの1対1を確実に仕留め、アルゼンチン代表が先手を取った。
1点ビハインドとなったオランダ代表は、前半終了間際にコーディ・ガクポのセットプレーからゴールに迫ったものの、なかなかシュートまで持ち込めない。ボールを握ることはできたものの、効果的な攻撃でチャンスは作り出せず、前半はこのままアルゼンチン代表の1点リード終了した。
後半に入っても試合の様相は変わらず、基本的にはオランダ代表がボールを保持しながら、アルゼンチンは奪った後の攻撃でチャンスを作り出す。61分にはメッシが中央突破を仕掛けると、フィルジル・ファン・ダイクがたまらずファウル。ペナルティエリア手前左寄りの位置でフリーキックを獲得した。キッカーを務めたメッシはファーサイドを狙った鋭いボールを蹴ったものの、シュートはわずかにクロスバーを超えていった。
70分には左サイドを駆け上がったマルコス・アクーニャがボックス左で仕掛けると、デンゼル・ダンフリースに倒されてPKを獲得する。キッカーを務めたメッシはゴール右に速い一撃を叩き込み、アルゼンチン代表が大きな追加点を記録している。メッシにとっては今大会4点目で、単独で得点ランキング2位に浮上した。
なかなかシュートまで持ち込めなくなかったオランダ代表だったが、83分にステフェン・ベルハイスのクロスボールからワウト・ウェクホルストがヘディングシュートを沈め、この日のシュート2本目で1点を返す。その後はルーク・デ・ヨングらの高さを活かしたパワープレーで前に出るが、なかなか同点ゴールを挙げられない。
このまま試合終了かと思われた後半アディショナルタイム、ペナルティエリア手前の位置でフリーキックを獲得する。誰もが直接狙うと思われた中、トゥーン・コープマイネルスは意表を突いたパスを選択。ボックス内でボールを受けたウェクホルストは倒れ込みながらも強引に流し込み、オランダ代表が土壇場で試合を振り出しに戻した。
延長戦は打って変わって落ち着いた展開となり、一進一退の攻防が続いて前半の15分間が終了。114分にはエンソ・フェルナンデスがボックス右を突破して中央に折り返すと、ラウタロ・マルティネスが右足でシュート。この一撃はファン・ダイクにブロックされる。120分にE・フェルナンデスがミドルシュートを振ったものの、シュートはポストに嫌われた。
先攻のオランダ代表は、1人目のファン・ダイクがエミリアーノ・マルティネスがコースを読み切って止めてみせる。対するアルゼンチン代表はメッシが1人目のキッカーを務め、GKのタイミングを外して落ち着いて成功。2人目にはベルハイスが登場したものの、再びE・マルティネスがビッグセーブ。アルゼンチンの2人目を担当したレアンドロ・パレデスはゴール左隅に強烈な一撃を叩き込む。オランダ代表3人目のコープマイネルス、アルゼンチン代表3人目のモンティエルは共に成功。オランダ代表4人目のウェクホルストが成功すると、アルゼンチン代表4人目のE・フェルナンデスは枠を捉えられない。5人目のL・デ・ヨングは落ち着いて成功。アルゼンチン代表最後のキッカーはラウタロ・マルティネス。プレッシャーのかかる場面でしっかりとゴールネットを揺らし、アルゼンチン代表が勝利した。
アルゼンチン代表は準優勝を果たしたブラジル大会以来、2大会ぶりのベスト4進出。一方、オランダ代表は2大会ぶりの出場でブラジル大会の3位を上回る成績を目指していたが、準々決勝敗退となった。準決勝は日本時間13日28:00(14日4:00)から行われ、アルゼンチン代表とクロアチア代表が対戦する。
【スコア】
オランダ代表 2-2(PK:3-4) アルゼンチン代表
【得点者】
0-1 35分 ナウエル・モリーナ(アルゼンチン代表)
0-2 73分 リオネル・メッシ(PK/アルゼンチン代表)
1-2 83分 ワウト・ウェクホルスト(オランダ代表)
2-2 90+11分 ワウト・ウェクホルスト(オランダ代表)
【スターティングメンバー】
オランダ代表(3-4-1-2)
GK:ノペルト
DF:ティンバー、ファン・ダイク、アケ
MF:ダンフリース、デ・ローン(46分 コープマイネルス)、F・デ・ヨング、ブリント(64分 L・デ・ヨング);メンフィス(78分 ウェクホルスト)
FW:ベルフワイン(46分 ベルハイス)、ガクポ(113分 ラング)
アルゼンチン代表(3-1-4-2)
GK:E・マルティネス
DF:ロメロ(78分 ペッセージャ)、オタメンディ、リサンドロ・マルティネス(112分 ディ・マリア)
MF:E・フェルナンデス;モリーナ(106分 モンティエル)、デ・パウル(67分 パレデス)、マック・アリスター、アクーニャ(78分 タグリアフィコ)
FW:メッシ、アルバレス(82分 ラウタロ・マルティネス)