カタール・ワールドカップ(W杯)でイングランド代表は、グループステージ3試合を無敗で終えて首位通過。下馬評通りの結果とも言える。

 ラウンド16では、アフリカ王者のセネガルを相手に3-0で快勝した。チーム力に大きな差があったように感じた。

 準々決勝でフランスと激突するが、イングランドのファンは、前回王者を前にしても、すでに戴冠への道を歩んでいると実感しているようだ。

 国内でも熱が高まってきており、ヘンリー王子とメーガン妃のドキュメンタリー映画公開の話題よりも、イングランド代表のトピックがトップニュースになっている。

 イングランドのファンの中には、グループステージやラウンド16の試合は観に行かず、これからカタールへ向かう人も少なくない。ウィリアム王子も多忙なスケジュールのなか、イングランドがフランスを破り、準決勝に進んだ場合に観戦に訪れるようだ。これらはイングランド人の自信の表われである。
 
 悲願のW杯制覇まであと3試合。ここからが本番だ。

 しかし相手は、世界最高プレーヤーの1人であるキリアン・エムバペを擁するフランスだ。カリム・ベンゼマやポール・ポグバ、エヌゴロ・カンテら主力の3、4人が怪我のため欠場しているものの、オリビエ・ジルーは非常に好調だ。ここまでの4試合は決して難しい相手ではなかったイングランドにとって、大きな脅威となるだろう。

 それでも、イングランド国内に悲壮感がないのは、今大会のスリーライオンズが最も才能に溢れ、層の厚いチームと言えるからだ。自信を持って試合に臨めるはずだ。

 セネガル戦はおよそ1800万人のファンがテレビで観戦した。土曜の夜に開催されるフランスとのビッグマッチは、その比ではないだろう。自宅やパブ、スタジアムで皆がイングランド代表に釘付けになるだろう。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

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