「レフェリーについては話したくない」と処分を警戒して多くは語らずも…

 カタール・ワールドカップ(W杯)の準々決勝、アルゼンチン代表とオランダ代表の試合はペナルティーキック(PK)戦の末にアルゼンチンが勝ち抜けを決めた。このゲームでは大量のイエローカードが乱れ飛んだが、データ会社「オプタ」によるとこの試合でイエローカード15枚が出され、これが選手に出たW杯1試合最多イエローカードの新記録となった。アルゼンチンの主将リオネル・メッシは、「何が起こるか分かっていた」と、アントニオ・マテウ・ラホス主審のレフェリングに苦言を呈している。スペイン紙「マルカ」が伝えた。

 このゲームでは特に試合後半にアルゼンチンが1点リードを守り切ろうとした時間帯から一気に荒れ始め、最終的にアルゼンチンはベンチのリオネル・スカローニ監督とワルテル・サムエルコーチへの2枚を含む10枚のイエローカード、オランダにはPK戦の最中や終了後も含めて8枚のイエローカードが提示され、そのうちDFデンゼル・ダンフリースが2枚を受けて試合後にレッドカードを受けている。単純なイエローカードの枚数だけだと選手で16枚、ベンチも含めて18枚になった。

 ベンチに対してイエローカードやレッドカードが提示されるようにルールが変わったのは2019年の夏であるため、オプタ社では選手へのカード枚数だけで比較している。

 オプタ社では、こうした場合の計算方法を「試合中にイエローカードを2枚受けた場合、それはレッドカードに変化する」としている。そのため、ダンフリースの2枚はレッドカードに変化し、アルゼンチンは選手に8枚、オランダは選手に7枚のイエローカードが提示されたという計算になり、選手に対する合計15枚のイエローカードはW杯における新記録になったという。

「マルカ」紙は「アルゼンチン代表のキャプテンは、アントニオ・マテウ・ラホス主審のパフォーマンスを批判した」として、メッシのコメントを紹介。

「レフェリーについては話したくない。話すと処分を受けるだろうからね。でも、(判定に関して)何が起こるか分かっていたから、試合前は怖かった。僕の考えを言うことはできないが、FIFAはこの事実を見てほしい。(W杯をさばくに相応しい)レベルに達していないレフェリーにゲームを担当させることはできない」

 マテウ・ラホス主審は2008年からスペイン1部ラ・リーガで主審を務めており、FCバルセロナでプレーしていた時代からメッシはそのレフェリングの傾向に感じるものがあったのかもしれない。(FOOTBALL ZONE編集部)