アーセナル所属のカタールW杯日本代表DF冨安健洋(24)は、インテル所属のオランダ代表DFデンゼル・ダンフリース(26)の交換要員としてインテル移籍の可能性が取りざたされている。しかしアーセナルOBのケビン・キャンベル氏は、アーセナルにとって冨安健洋が必要不可欠な戦力であると考えているようだ。

 ダンフリースの去就については、チェルシーやマンチェスター・ユナイテッドからの関心が伝えられる中、アーセナルも同選手の獲得に動く可能性がある模様。イタリアメディア『カルチョメルカート』の報道によると、インテルが移籍金4000万ユーロ(約56億5000万円)にくわえて冨安健洋を交換要員に含めるよう求めているという。

 この報道をうけて、キャンベル氏は自身がスペシャルゲストを務めるYouTubeチャンネル『ザ・ハイライト・スカッド』において見解を披露。

 「何も起きない。前に進もう。憶測にしかすぎないんだ」と切り出すと「冨安健洋は今季ここまで期待されるほどプレーしていない。だからといって、ミケル・アルテタ監督に突然必要とされなくなったわけではない」と、アーセナルにおける冨安健洋の立場を説明する。

 そして「ベン・ホワイトは8月以降、アーセナルの主要な右サイドバックとしての地位を確立した。ウィリアン・サリバとガブリエウ・マガリャンイスはホワイトの横で素晴らしいセンターバックコンビを形成している」

 「それでも冨安健洋はアーセナルにとって重要な選手であることに変わりはない。確かに(デンゼル・)ダンフリースは優れたウィンガーではあるが、彼の獲得はあくまでも独立している。(冨安健洋をはじめ)他の選手の退団を必要としないことは間違いない」とコメント。アーセナルがダンフリース獲得に動く場合でも、冨安健洋を譲渡することはないと主張した。

 なお冨安健洋は今季開幕当初、コンディション不良の影響もあり右サイドバックでイングランド代表DFベン・ホワイトのバックアッパーに甘んじていた。しかし10月9日のプレミアリーグ第10節・リバプール戦でエジプト代表FWモハメド・サラー(30)とマッチアップを制して勝利に貢献。これをきっかけに、左サイドバックでスコットランド代表DFキーラン・ティアニーからレギュラーを奪っている。

 また同選手はカタールW杯に参戦すると、先月23日のグループリーグ初戦・ドイツ戦で後半45分間プレーし勝利に貢献。右太ももの違和感によりコスタリカ戦を欠場したが、今月2日のスペイン戦では後半途中から出場し、守備で奮闘。6日の決勝トーナメント1回戦・クロアチア戦ではフル出場したが、日本代表はPK戦の末に敗れている。