【FIFA ワールドカップ カタール 2022・決勝トーナメント準々決勝】モロッコ1-0ポルトガル(日本時間12月11日/アルトゥママ スタジアム)
ベスト4に進出したモロッコ代表が歓喜に沸く中、クリスティアーノ・ロナウドの態度は対照的だった。大粒の涙を流したEURO 2004決勝ギリシャ戦から18年、37歳となった“クライベイビー”の目には涙があふれていた。この姿を見た視聴者は「ありがとうロナウド」とその勇姿を見届けた。
ポルトガル代表通算118ゴールは全世界の歴代代表最多得点記録であり、プレミアリーグ、ラ・リーガ、セリエAでの得点王はクリスティアーノ・ロナウドただ1人しか成し遂げたことのない偉大な記録である。
そんなロナウドが、今季はプレミアリーグでわずか1ゴールと絶不調。キャリア最低のシーズンの中、カタールワールドカップが開幕した。
開幕戦のガーナ戦ではPKを決めて史上初のワールドカップ5大会連続ゴール記録を打ち立てたが、それ以外のシーンではトラップミスやシュートミスが目立つなど、クラブでの不調を引きずっていた。それは第2戦のウルグアイ戦、第3戦の韓国戦も同様だった。
この状況を踏まえてポルトガル代表のフェルナンド・サントス監督は、決勝トーナメントから不動のレギュラーとして起用し続けたロナウドをスタメンから外す選択をした。ラウンド16のスイス戦では、代わってスタメン起用されたゴンサロ・ラモスがハットトリックを達成。ロナウドからすると複雑な心境だったかもしれないが、チームにとってこの判断は上向きの材料だった。
モロッコ戦でもベンチスタートとなったロナウドは、1点を追いかける51分に登場。溢れんばかりの拍手を背にピッチに登場したが、今大会1失点しか喫していない堅守モロッコ相手に苦戦した。自身のシュートミスも響き、0-1で敗戦。恐らく今大会が最後になるであろうロナウドのワールドカップでの戦いは終わりを迎えた。
試合後、ロナウドは足早にロッカールームへと去っていったが、その目には涙が浮かんでいた。決勝で敗れて大粒の涙を流したEURO 2004決勝からロナウドは世界最高のサッカー選手と呼ばれるまでに自身を高めた。
あれから18年、選手として数々の偉業を成し遂げ、サッカー選手として大きく成長したが、“クライベイビー”と呼ばれた泣き虫ロナウドは変わっていなかった。
この勇姿を見届けたABEMA視聴者からは「泣いちゃった」「ロナウドお疲れ様」「ありがとうロナウド」「ロナウド泣かないでくれ」「クリロナの優勝見たかった」「クリロナは誰よりも活躍してた」と多くのロナウドを励ます声が寄せられた。
これまでのロナウドは涙を流すたびに強くなっていった。マンチェスター・ユナイテッドとも契約を解除して現在は無所属だが、この悔し涙を糧にもう一度サッカー選手として花を咲かせることができるのだろうか。
(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)
「FIFA/Getty Images」