日本代表MF田中碧が12月12日、フジテレビ系列「S—PARK」に出演。カタール・ワールドカップのスペイン戦(2-1)で自身が決めた決勝点について語った。

 1-1で迎えた51分だった。田中のパスを受けた堂安律が、右サイドからゴール前にクロスを入れる。逆サイドにいた三笘薫が、ゴールラインのギリギリの位置から折り返す。そのボールに反応した田中が、右足でゴールに押し込んだ。

 三笘の折り返しは際どかったが、VARのチェックを経て得点が認められる。“三笘の1ミリ”と称されたアシストは、見る角度によってはラインの外に出ていたが、真上から見るとボールの端がライン上にとどまっていたため、インプレーの判定となった。

 同番組で田中は、堂安のクロス時に逆サイドに三笘と前田大然が走り込んでいたため「どっちかが(ボールに)触るのかなと思っていて。薫さんが奥にいて触ったので、何とか残してくれるのではないかと期待していた」と振り返る。この時、目の前にいた相手DFは目に入っておらず、「自分とボールだけの世界になっていた。その感覚は初めてだった」という。

 フィニッシュの瞬間は「『来い』って信じていたボールが、本当に来たので。『何が何でも入れてやろう』という感じで。身体のどこかに当たって入ってほしいという気持ちで、詰めに行った」として、ボランチながらゴール前に入っていけたのは「今シーズンからすごく意識していた」プレーだと明かした。
 
 また、“三笘の1ミリ”については、正直な印象を語った。

「結構出ているなとは思っていた。出ていたな、と。押し込む所までは、笛が鳴るまでやるのが普通なので。決めはしたけど、(プレーが)止まってVARになった時は、隣にいた伊東(純也)選手とお互い右サイドにいたので、『出ていたよね』と言われて、『まあ、出ていましたね』と」

 VARの確認時も、周囲に「多分出ている。アウト、アウト」と言っていたとして、得点が認められた時は「うれしかった。正直、アウトの、切り替える覚悟はできていた」という。

 世界中に反響を呼んだ“三笘の1ミリ”。そのピッチ上での“真実”が、ゴールを決めた本人によって明らかになった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画】「出ていた」と本人が証言するスペイン戦“三笘の1ミリ”→田中碧の勝ち越し弾! ※投稿の白地部分をクリック