15日にフランスと対戦する
FIFAワールドカップ・カタール大会最大のサプライズはモロッコの躍進だ。
W杯・カタール大会までの最高成績はベスト16で、その記録を残したのは1986年にまでさかのぼる。その後は低迷しており、2002年の日韓大会から4大会連続で本戦出場を逃している。
今大会はアフリカ予選を首位で通過したのだが、チーム内には問題があった。前指揮官であるヴァイッド・ハリルホジッチ監督と主力であるハキム・ツィエクらの衝突だ。ツィエクは一時代表引退を表明している。これを見かねたモロッコサッカー協会はハリルホジッチ監督を解任し、ワリド・レグラギを新監督とした。
その後のモロッコは堅守と攻撃での鋭さを見せるチームとなり、ベルギー、クロアチア、カナダと同組となったグループFを首位で通過。決勝トーナメントではスペインとポルトガルを破って4強入りを果たしている。
英『The Athletic』ではフランスとの準決勝を前に、アフリカ勢のW杯での歴史を振り返っている。
これまでアフリカ勢はW杯に49チームが参加しており、そのうち38チームがグループステージ敗退という苦い思いをしている。決勝トーナメント1回戦で敗れたのは11チームで、準々決勝では3チームのみ。しかもベスト8入りを最後に成し遂げたのは、2010年のガーナと12年も前の話だ。そんな難しい状況をモロッコが打破し、さらに記録を塗り替えようとしている。
モロッコの武器はその堅守にあり、グループステージからここまでの5試合で1失点しかしていないのだ。しかもそれはカナダ戦でのオウンゴールであり、守備陣の堅さが分かる。ハキム・ツィエクやアクラフ・ハキミ以外のタレントにも注目が集まっており、中盤のソフィアン・アムラバドとアゼディン・ウナヒは今大会でかなり評価を上げている。大会後にはステップアップすることもあるだろう。
ラウンド4で対戦するフランスは優勝候補の大本命だ。欧州屈指のタレント集団であり、ラウンド8ではイングランドを下した。攻撃力の高さが強みであり、モロッコはそんな攻撃を跳ね返すことができるのだろうか。