ケインは2本目のPKについて考えすぎてしまったのか

まさかの失敗だった。‌10日にFIFAワールドカップ・カタール大会準々決勝でフランス代表と対戦したイングランド代表は、1-2とリードされて迎えた84分にPKを獲得。これで同点に持ち込めるとサポーターの期待は高まったが、これをエースのハリー・ケインがゴール上へと外してしまった。

もちろん重圧は相当なものだっただろう。ケインはトッテナムでもPKを担当しているため、PKに苦手意識はないはずだ。しかし、4年に1度の祭典でかかる重圧は特別なものがある。それに加え、元ドイツ代表FWユルゲン・クリンスマン氏は現代ならではの難しさがあるとケインをフォローする。

クリンスマン氏が指摘したのは、VARチェックだ。今回のPKシーンでも、イングランド代表MFメイソン・マウントが背後からフランス代表DFテオ・エルナンデスに押し倒されてPKと判定されるまでVARチェックの時間を要した。この時間にケインが色々と考えを巡らせすぎたのではないかと同氏は見ている。

「VARなどのチェックが長すぎるんだ。その間に考えすぎてしまう。私はケインの大ファンだよ。もし彼がすぐにボールをセットし、そのまま蹴ることが出来ていれば2点目のPKも決めただろう。ただ、時間がかかることで考えすぎてしまった」

特にケインは54分にもPKを蹴っており、この時はゴール左へ豪快に蹴り込んで成功させている。2本目はどちらのコースへ蹴るべきなのか。逆か、それとも同じコースへ蹴り込むのか。フランスのGKがトッテナムでのチームメイトであるウーゴ・ロリスだったこともあり、自身の得意コースなどを含めケインが色々と考えたのは間違いない。最終的にはゴール上へ外してしまうことになり、ケインとしては珍しい失敗だった。