2022年末に開催されたFIFAワールドカップ・カタール2022。近代では初めて北半球の冬に行われる大会ということで大きな話題になった。

その中でポイントの一つとして良く取り上げられていたのが、ドーハに建設された「スタジアム974」。

このスタジアムが画期的であったのは、海運で使われていた輸送用のコンテナを再利用して作られたということ。

スペインのマドリッドを拠点とする設計事務所「Fenwick Iribarren Architects(フェンウィック・イリバレン・アーキテクツ)」とドイツの「Schlaich Bergermann Partner(シュライヒ・ベルガーマン・パートナー)」によってデザインされたものだ。

そしてスタジアムは大会終了後に解体されてコンテナや素材は他の場所で再利用される…という「持続可能性」が最大の売りであった。ワールドカップのために作られるスタジアムは大会後の稼働率が悪くなることが多く、その解決策として設計されたものだった。

ところが、今回『L'Equipe』が調査したところによれば、持続可能だったはずの「スタジアム974』はほとんど再利用されないまま放置されていたという。

もともとスタジアム974の素材については大会後に解体されてアフリカなどの国に送られる予定であったが、ワールドカップが終了してからも「ほとんど何も起こっていない」とのこと。

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スタジアム974はワールドカップ途中から解体予定だったこともありどこのチームも使用していないようで、このあとのアジアカップでも使われることはない。