カタール・ワールドカップも残すところあとわずかとなった。12月18日の決勝戦に大きな注目が集まる一方で、大会を振り返り始める人々もいる。

 今大会の特徴のひとつが、アジア勢の躍進だ。日本、韓国、オーストラリアと、史上初めて3チームが決勝トーナメントに進出した。また、グループステージではサウジアラビアがアルゼンチンに逆転勝利し、大会最初のサプライズとして世界を騒がせている。

 アジアの様々な情報を取り上げるサイト『LIFESTYLE ASIA』は12月13日、「2022年ワールドカップの最も忘れられない瞬間」と題した記事で、記憶に残る場面をピックアップ。日本のドイツ戦やスペイン戦の勝利、「三笘の1ミリ」と話題になったゴールラインテクノロジー、日本サポーターのスタジアム清掃などを取り上げた。

 森保一監督率いる日本代表は、大会初戦でドイツに2-1と逆転勝利。サウジアラビアのアルゼンチン撃破に続く快挙と称賛された。続くコスタリカ戦で黒星を喫した森保ジャパンだが、スペイン戦ではドイツ戦同様に後半に逆転して2-1と勝利。2大会連続の決勝トーナメントを果たしている。

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 LIFESTYLE ASIAは「日本は決して優勝候補ではない。だが、サムライブルーは美しいゲームに全力を尽くす。相手がどこだろうが決してあきらめない姿勢は、常に素晴らしかった」と、直近大会で優勝していた欧州の強豪2か国を撃破した日本に賛辞を寄せた。

 スペイン戦で日本の決勝点となったゴールは、ラインぎりぎりで三笘薫が折り返したボールを田中碧が押し込んで決めたものだった。当初、審判団はラインを割ったとして得点を認めず。だが、ビデオアシストレフェリーの介入の結果、ゴールが認められた。

 上部からの映像でボールの湾曲部がラインにかかっていたことが分かり、田中の得点は認められた。だが、グラウンドレベルの映像ではボールがラインを割っていたように見えたため、LIFESTYLE ASIAは「その時点での大会最大の論争になった」と振り返っている。

 また、開幕戦後から世界で話題となった日本サポーターのスタンドでのゴミ拾いについては、「チームがピッチでのパフォーマンスで皆を驚かせた一方で、日本のファンはピッチ外での振る舞いですべての人の心を掴んだ」と称賛した。

「自国でも、訪れるどの国でもそうであるように、日本の観客たちは試合後にスタジアムを片づけた。日本の試合かどうかによらず、観戦したどんな試合でもそうしている。彼らの行動はチュニジアやモロッコといった国のファンも刺激し、試合後に似たような掃除をするようになった」

 なお、同メディアがそのほかに選出した「最も忘れられない瞬間」は、サウジアラビアのアルゼンチン撃破、クリスティアーノ・ロナウドの頭をかすめたと思われた“幻のゴール”、アフリカ勢初のブラジル戦勝利の立役者となったカメルーンFWヴァンサン・アブバカルのレッドカード、ベルギー敗退後の暴動、土壇場で決勝トーナメント進出を果たした韓国FWソン・フンミンの涙だった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部