日韓代表の取材環境で違い、W杯取材の韓国記者が見解綴る
カタール・ワールドカップ(W杯)での練習場における取材方式を巡り、韓国メディア記者が日韓代表の違いを指摘。オピニオン記事の中で、「練習場での取材は日本が韓国を圧倒」「韓国の取材状況を改善してほしい」と訴えている。
韓国代表はポルトガル代表、ウルグアイ代表、ガーナ代表が入ったグループHを2位で突破。グループEを首位突破した日本と同じく決勝トーナメントに進出したが、ベスト16でブラジル代表に1-4と敗れ、8強進出は叶わなかった。
大会後、一部の代表メンバーの口からは日韓代表の違いを指摘する声が上がり、MFファン・インボム(オリンピアコス)が「日本と同じ環境だとは思っていない」と話せば、DFキム・ミンジェ(ナポリ)も欧州組の選手が多く揃う日本を「うらやましい」と発言し、注目を集めた。
そんななか、W杯を取材した韓国紙「京仁日報」のキム・ヒョンウク記者は、別の角度から“日韓の差”への見解を示している。同メディアのオピニオン記事として掲載されたのは、選手への取材形式に関する違いだ。
「W杯韓国代表の練習場を取材する環境は、まだまだ先の話」と見出しが打たれた記事では、カタール大会における日本代表の練習場の様子が「印象的だった」とされ、実際に目にした光景を綴っている。
「カタール・ドーハのアルサッド・スポーツクラブの練習場に用意された日本代表チームの練習場で、ひと際目を引くものがあった。練習スケジュールが書かれたボードに、13人の選手の写真と名前がびっしりと書き込まれていたのだ」
今大会の練習場において、日本代表には「ミックスゾーン」が設置されたのに対し、韓国代表にはそれがなかったという。韓国の場合、大韓サッカー協会が報道陣に練習日程を発表する際、記者会見を行う選手を2人指定し、その選手だけがインタビューを受けるシステムだったようだ。
日本の練習場における取材風景に驚きを覚えたキム・ヒョンウク記者は「日本代表と比べると、韓国はいろいろな選手の声を聞く機会が少ない。例えば、練習公開日にグループリーグで活躍した選手にインタビューしたいと仮定すると、韓国のシステムでは不可能だった」と不満を露わにしている。
さらに「日本代表と同数の選手が練習場で記者の取材を受けるというのは、韓国でも十分にできることだった」と、母国のサッカー協会が設けた取材システムに疑問を投げかけ、「練習場での取材は、日本が韓国を圧倒していた。次のW杯では、韓国の練習場取材状況を改善してほしい。記者を楽にさせるためではなく、W杯に出場する選手の気持ちを国民に伝えるためである」と訴えていた。(FOOTBALL ZONE編集部)