若手と中堅世代が躍動したカタール大会

FWクリスティアーノ・ロナウドにとってラストだったかもしれないFIFAワールドカップ・カタール大会はベスト8敗退に終わってしまったが、ポルトガル代表には明るい未来がある。優秀な若手から中堅世代が揃っており、このカタール大会でもポジティブな材料がいくつかあった。

最大の衝撃となったのは、ロナウドに代わって先発出場したベスト16のスイス戦でハットトリックを記録したベンフィカFWゴンサロ・ラモス(21)だ。すでにビッグクラブが獲得へ動き出しており、次の4年でさらにビッグなストライカーへ育つ可能性が高い。本人もカタール大会で結果を残せたことに手応えを感じているはずだ。

もう一人楽しみなのが、ミランFWラファエル・レオン(23)だ。ミランでも中心選手になっているが、英『Daily Mail』はレオンをロナウドの後継者になれる可能性があるとポテンシャルを高く評価している。レオンも今大会で2ゴールを挙げており、左ウイングに加えて将来は188cmのサイズを活かしてセンターフォワードも務められるかもしれない。

もっとも同メディアはレオンにセリエAからのステップアップを求めており、プレミアリーグのビッグクラブなどハイレベルな環境でプレイするのがロナウド化への条件と見ている。昨季セリエAを制したミランでも成長は可能だが、レオンの獲得にも複数クラブが関心を示している。この4年で動きがあるかもしれない。

スイス戦で圧巻のパフォーマンスを披露したアトレティコ・マドリードFWジョアン・フェリックスも市場の人気者で、こちらもアトレティコを離れる可能性がある。アトレティコを指揮するディエゴ・シメオネのスタイルに合っていないとの指摘もあっただけに、アトレティコ退団が良い方向へ作用する可能性は高い。スイス戦でも自由にボールに絡むことで持ち味を発揮しており、より攻撃的なクラブでプレイすべきだろう。

さらに怪我で今大会を欠場したリヴァプールFWディオゴ・ジョタも忘れてはならない。まだ26歳と中堅世代で、十分に4年後のワールドカップを狙える。得点力はリヴァプールでも証明済みで、ラモスやレオンとは異なる強みを前線にプラスできる。

一部ではロナウドが2年後のEURO2024出場へ意欲があるとも言われているが、この2年で前述したラモスやレオンが成長するならばロナウドでも割って入れない攻撃陣となる可能性がある。

ロナウドやDFペペといった長くポルトガルを支えてきたベテランたちにとっては今回が最後のワールドカップだったかもしれないが、タレント的にポルトガルは4年後の方が強いだろう。今大会の悔しさを胸に、若手選手たちの更なる成長に期待がかかる。